筆者の話です。
施設で暮らす母の面会に行くたび、決まって聞かれることがありました。
その言葉の意味を考えたとき、私はあることに気づいて──。

母の本音

ある日も同じように面会に行きました。
母は以前より歩く機会が減り、職員さんに手伝ってもらう場面も増えています。
できないことが少しずつ増えている様子を見ながら話していた帰り際のことでした。

「老後はどうするの?」
母はそう言うと、返事を待つように私の顔を見ました。
最近は職員さんの手を借りる場面も増えているのに、母が気にしているのは自分のことではなく私の将来でした。

親の願い

帰り道、母の言葉が何度も頭に浮かびました。
正直なところ、私自身も老後について具体的な答えを持っているわけではありません。
親というのは、自分のことがままならなくなっても、ずっと子どもの心配をするものなのかもしれません。
ありがたいと思う一方で、その気持ちに甘えてばかりもいられないとも感じました。

母を安心させられるような答えは、まだ見つかっていません。
それでも、自分のこれからを少しずつ考え始めることが、今の私にできる親孝行なのかもしれないと思っています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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