筆者の話です。
隣家の奥さんが「いつでも取っていいよ」と言ってくれる畑の大根。
元・給食調理員の母は、もらった野菜でおかずを作り、お隣へおすそ分けするのが日課になりました。
忙しい隣家との間に生まれた『ありがとう』のやりとりが、静かな町に灯をともすように、冬の夕暮れをやさしく照らしていました。
画像: 隣の奥さん「畑の野菜、取っていいよ」母「だったら──」心温まる『ご近所づきあい』にほっこり

お隣の畑から届く冬の恵み

実家の隣は柑橘農家で、敷地の一角に季節ごとの野菜を育てる畑があります。
家の前の小径を挟んで広がる畑に母は出入り自由。
隣家の奥さんは、いつも「野菜、いつでも取っていいよ」と笑顔で声をかけてくれるのです。

母は料理好きで、特に冬野菜を使った煮物づくりが得意。
「ありがたいねえ」と言いながら、もらったばかりの大根を台所でせっせと調理していました。

母の「おすそ分け」が日課に

母はもらうばかりでは申し訳ないと、煮物やきんぴらなどをお隣へ届けます。
元・給食調理員らしい手際のよさで、品数も味もまるで家庭料理の見本のよう。
実家は農家ではないため、 畑仕事はしていない分、家にいる時間が長い母。
昼間に「今日はこれを作って持っていくからね」と隣家の奥さんに伝えると、時間をたっぷり使って煮込み料理を作っていました。

「助かるわ」「おいしかったよ」と言われると、母の表情がふっとやわらぎます。
そんなやりとりが、いつの間にか日常の一部になっていました。

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