これは筆者自身の子育て体験です。
3歳の息子と一緒に、週2回のバス通いを続けた1年間。最初は落ち着きのない息子に苦労の連続でしたが、ある日小さな「ありがとう」が、彼の成長と地域の温かさを教えてくれました。子どもを育てるのは、親だけじゃないと気づかされた出来事です。

初めての「ありがとう」が生んだ奇跡

私は以前から「バスを降りるときには『ありがとう』って言おうね」と繰り返し伝えてきました。でも恥ずかしがり屋の息子は、なかなか声に出せずにいました。ところがある日、初めて小さな声で「ありがとう」と言えたのです。その瞬間、いつもの運転手さんが振り返って、「ご挨拶できるようになったんだね! お兄ちゃんになったね」とニッコリ。

成長を認めてくれる大人の存在

運転手さんはさらに「最近はちゃんと座ってお利口になったね」とも言ってくれました。私たち親子の毎週の様子をずっと見守っていてくださったのです。たった一言の「ありがとう」が、子どもの心に自信を芽生えさせ、息子はその後も元気に挨拶できるようになりました。

子育ては、ひとりじゃない

この出来事を通して強く感じたのは、「子育ては親だけで完結するものではない」ということ。バスの運転手さんの一言、地域の人々の眼差し、それがどれほど私たちの支えになったか計り知れません。

地域の中で育つということが、どれだけ子どもにとって大きな学びになるのか。今、改めて実感しています。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。

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