幼稚園の教諭として日々子どもたちと向き合う中、ある日経験した出来事が、私の保育観を大きく変えました。体調を崩した子と、その周囲の子どもたちの反応、そして担任の先生の一言。その“思いやり”がもたらした結果に、私は深く考えさせられたのです。友人が、体験談を語ってくれました。
画像: 咳をする子から離れようとする子に「いじわるしちゃダメ!」数日後『保育現場の判断』の難しさを感じた瞬間

体調を崩した園児と、教室のささやかな異変

私は幼稚園で働く教諭です。

ある日、年中クラスのAくんがいつも通り元気に登園してきました。

朝の自由遊びの時間も活発に動き回っていて、特に気になる様子はありませんでした。

けれど、お昼ごろになるとAくんの様子が急変。顔が赤くなり、しきりにゴホゴホと咳をし始めました。体もだるそうで、「少ししんどい……」と訴えてきたのです。

善意がもたらした、予期せぬ出来事

担任の経験豊富な先生が保護者に連絡を取り、早退の調整を始めていたその時のことです。

周りの子どもたちも、Aくんの体調に気づき始めていました。

中でもBちゃんは「Aくん、大丈夫?」と心配しながらも、そっと自分の席をずらしました。

その行動を見た担任の先生は思わず、「咳してるからって離れないの! いじわるしない!」と注意し、BちゃんをAくんの隣にピッタリと戻してしまったのです。

担任の先生は、「仲間外れにしない」という気持ちからだったと思います。でも、私はその場でなんとも言えない違和感を抱いていました。

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