保険のセールスは大変な仕事で、家族や親戚、友人や知人に至るまで勧誘しなければならないこともあります。しかし勧誘があまりに強引すぎる場合、友人から距離を置かれてしまうこともあるといいます。今回はTPOをわきまえない保険の勧誘に驚いた経験のある筆者の知人、Kさんのお話です。

葬儀の後に

葬儀が無事に終わり、安堵と疲れが入り混じる中、FさんがKさんに近づいてきました。

お悔やみの言葉もそこそこに、彼女は信じられない言葉を口にしたのです。
「ねえKちゃん、私保険の営業してるんだけど、いい保険あるから入らない? お母さんの保険金降りるだろうからちょっと余裕あるでしょ」
「え……?」
突然の保険の勧誘に、驚いて言葉の出ないKさん。

「ちょっとFちゃん、こんなときに何言ってるの!?」
周りの友人が慌ててFさんに注意してくれましたが、Fさんは
「でも、こんなときこそ保険の大切さがわかるでしょ?」
とケロッとして名刺を差し出したのです。母を亡くした悲しみと、あまりの無神経さに、Kさんはその場で号泣してしまいました。友人に守られ、Fさんが会場からいなくなった後も、その衝撃は消えませんでした。

その後、Fさんから何度か連絡がありましたが、Kさんが返信することはありませんでした。

後に聞いた話では、Fさんは他の友人たちにも強引な勧誘を行い、結果として周囲から距離を置かれることになったといいます。

保険営業という仕事そのものは素晴らしいものですが、それを遂行する上で最も重要なのは、商品のスペックよりも「相手の心に寄り添う想像力」ではないでしょうか。

今回の一件は、Kさんにとって悲しい出来事でしたが、同時に「本当に信頼できる友人とは誰なのか」を、図らずも教えてくれた出来事でもありました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.