筆者の体験した出来事です。
母は長年、膝の痛みに悩み、50代後半から本格的に治療を試みてきました。
人工関節の手術を決断した母でしたが、術後には意外な一幕が――。

術後のつらさに八つ当たりの母

ところが、病室に戻り麻酔から覚めると、母は急に怒り出しました。
「しんどい、なぜ手術を止めてくれなかったの!?」
と、弟や私に八つ当たりを始めたのです。

手術は母の想像以上に体への負担が大きかったようです。
しかし、手術を決めたのは母自身。
弟と顔を見合わせながら
「切ったものはもう戻せない。手術すると言ったのは自分だよ」
「体を切ったんだから痛いのは当たり前だ」
と正論を伝えました。

すると母は涙ぐみながら
「こんなにしんどいと思わなかった」
とぽつり。
代わることができない私たちは
「手術してすぐだから、しんどいのだと思うよ」
と励ますしかなく、結局、一人では心もとないという母の頼みに応え、数日間付き添いながら回復を見守りました。

後にも先にも母が私たちに八つ当たりしたのはこの時だけ。
よほどつらい手術だったのだなと思いました。

元気を取り戻した母

あれほど「もう二度と手術はしない!」
と怒っていた母でしたが、3年後にはもう片方の膝も手術することに。
「『どうして止めてくれなかったのか』と言われても、もう聞かないよ? 本当に手術するの!?」
と何度も確認しましたが、一度目の経験があったからなのか、今度の母は驚くほど元気。手術後も付き添いなしで、一人で過ごすことができました。
今は痛みから解放され、以前より元気に過ごしている母を見て、安心しています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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