母親から言われた忘れられない言葉はありますか? 知人は「産もうか諦めようか迷った」と母親から言われ、大人になってもその言葉を引きずっているのだとか。今回は、知人A子のエピソードをご紹介します。
画像: 「あんたのこと、産もうか迷った」母の言葉に傷ついたまま、自分が予期せぬ妊娠。脳内によぎったのは?

母からの無神経な言葉

A子は母親が38歳のときにできた第3子です。
A子が大学生の頃、母親から「あんたは予想外の妊娠だったから、産もうか諦めようかかなり迷ったのよね」「お父さんはどっちでもいいって言うし、究極の選択だったわ」と笑いながら言われてしまいました。

A子はこれまで、母親から虐待されたことはありません。
母親は笑い話として話していましたが、A子は自分の存在が否定されているような気になってしまいました。
無神経な言葉に傷ついたと伝えても、「せっかく産んであげたのに! 感謝して欲しいわ」と、母親は理解してくれません。
A子は母親の言葉を大人になっても引きずり、もどかしい思いを抱えていました。

予想外の妊娠

その後A子は結婚し、40歳のとき第2子の妊娠が発覚しました。
第1子がなかなかできず、『子どもは1人だ』と思い込んでいたため、A子にとっては予期せぬ妊娠です。
さらにその時は仕事で責任のあるポストについていたため、自身のキャリアのことも頭をよぎりました。
でも、「この子を失うなんて考えられない」と、産むことを決意。
高齢出産でしたが、無事に出産を終えることができました。

母親になって思ったこと

出産を迷ったこともあり、A子は子どもをちゃんと愛せるか不安でした。
でも、実際に産まれたら可愛くて可愛くて仕方がありません。

そんなとき、ふと「産もうか迷った」という母親の言葉がよみがえってきました。
A子は思い切って母親に「私を産んだこと、後悔してる?」と尋ねることにしたのです。

母親は、「家事や育児に追われて大変だったわ。お父さんは手伝ってくれないし。産んだことを後悔してはないけれど、産まなきゃ楽だったのにと思ったことはあるわね」と無邪気に言われてしまったのです。
この言葉で、母とは永遠にわかりあえないと気づいたA子。
互いのため、程よい距離を保つことに決めたそうです。

【体験者:40代女性・会社員、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:江田愉子
団体職員を経て、ライターに転身。男性が管理職、女性多数が一般職の職場にて、女性と仕事、男女平等参画に関する様々な理想と現実に直面し、それを記事にすることを志す。以来、組織に所属する女性を中心にヒアリングを重ね、女性が生きやすい社会生活に関するコラムを執筆中。

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