子どもは見ていないようで実は親の表情をよく見ていて、そこから多くを感じ取っているようです。
子どものひと言から大切なことに気づかされた、筆者の知人の香織(仮名)さんからお話を聞きました。
画像: 「小学校に行きたくない」嫌がる次男の対処に疲れ切った母 → 長男の言葉に「ハッとした」理由

笑いが絶えなかった我が家

私には健(仮名)と康史(仮名)という2人の男の子がいます。

兄の健は活発で明るい子。
いつも面白いことを言って周りを盛り上げ、家族のムードメーカー的な存在です。

健より3歳下の康史は、優しくて繊細な甘えん坊。
いつも兄の後ろをついてまわるような子です。

康史が小学校に入学するまでは、笑いが絶えない我が家でした。

康史の不登校

康史は繊細な気質が災いしたのか、小学校に入学した時から学校になじめず不登校気味でした。

小学校に行かせなければと思う私は
「行きたくない」
と泣きながらリビングのテーブルの脚にしがみつく康史をむりやり引きはがし、引きずるようにして小学校につれて行きました。

康史のことで月に何度も学校に呼び出され、私は対処に疲れ切り、笑顔が減っていたようです。

思いもよらない健のひと言

ある日の夕食後、食器を洗っている時に、翌朝の康史の登校のことが頭をよぎりました。

泣き叫んで嫌がる康史と、康史を無理やり小学校に連れて行く自分の姿。

気づかないうちに食器を洗う手が止まり、窓の外をボーッと眺めていました。

すると健がそっと近づき、私の隣に立っていたのです。

健がニコニコしながら私にこう言いました。

「お母さん、ボクは休まずに学校に行くから心配しないでね」

子どもの言葉に気づかされた

その言葉に私はハッとしました。

普段からわがままも言わず、明るく家の雰囲気を盛り上げていたのは、疲れ切った私を心配した健なりの気遣いだったのです。

康史に対しても私が世間体ばかりにとらわれ、本人の気持ちに寄り添えずにいたことに気づきました。

無理やり学校に行かせることをやめたら気持ちにゆとりが生まれ、私と康史の間には笑顔が戻りました。

健のひと言が私に大切なことを気づかせてくれたのでした。

【体験者:40代・パート、回答時期:2024年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。

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