同じ職場の先輩と結婚
私は20代後半で約1年半付き合った5歳年上の男性と職場結婚しました。
2人ともIT企業の営業職として働いており、私が仕事で悩んでいるとき、相談できる事に頼もしさも感じていました。
転職したいけれど
結婚してまもない頃、仕事がハードになり、転職したいと考えるようになりました。
私自身、そもそもITという業種にも、営業という職種にも苦手意識があり、ずっとは続けられないなと思っていました。
そして、結婚をした事で、一人暮らしだったときに比べて、給与が多少下がってもよいという甘えもありました。そこで、以前より興味のあった別業界へ転職したい旨を夫に伝えました。
しかし、夫からは厳しい言葉が返ってきたのです。
「もし転職できたとして、給料は上がるの? 仕事はどこに行ってもつらいし僕だってつらい。自分探しみたいな事をするのは馬鹿らしいと思う」
自分にも生き方にも自信がなかった私は転職を諦め、IT企業でその後4年間働きました。
適性の合った仕事との出会い
その後、夫はUターン転職をする事になり、2人で会社を辞め、当時2歳の子どもがいた私はいったん専業主婦へ。
それから私は子育てに専念して専業主婦をやっていましたが、5年ぶりに久々に仕事を始める事にしました。
ずっと興味のあった業界の在宅ワークで、始めてみるとIT業界よりは適性があったように感じられ、上司からも褒められたり、先輩からも個別に仕事を頼まれたりするようになり、生まれて初めて「月曜日が楽しみ」という感覚を味わいました。
そんな嬉しそうに働く私を見て、次第に夫の態度も変わり、「自分に合う仕事っていうのがあるんだね」という話ができるようになっていきました。
仕事に対する価値観の変化
ときどき、私が転職を考えていたときの夫の「自分探しなんて馬鹿らしい」という言葉を思い出して恨み節を言いたくなるときもあります。
しかし、超氷河期時代に就職難を経験している夫は、キツイ仕事でも泣き言を言わずにやるしかないという価値観を長く持っていたようです。
今では、「多少給与が下がっても自分がコレだと思える仕事をしてほしい」と夫にも言えるようになり、夫の仕事の愚痴や転職の話も、気兼ねなく話せるようになりました。
しかし、ここにくるまで10年かかりました(笑)長すぎますね。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:長橋知子
38歳で未経験からWEB広告制作の在宅ワークに挑戦し、セールスライター・WEBライターとして活動をスタート。読者に寄り添うライティングを大切にしている。特に、人間関係や育児、地域活動、女性の生き方に関するテーマが得意。また、noteで赤裸々エッセイを発信し、Kindle書籍も出版。「どんな自分でも生きていける」社会の実現を目指して奮闘中。