親の何気ない冗談が、子供を深く傷つけ、ときには人生を左右してしまうことも。今回は、子供時代に受けた親の言葉に囚われ続けてしまった友人、C実のエピソードを紹介します。

「あんたは金食い虫」

私の両親の口癖は「あんたは本当に金食い虫だねぇ」でした。
冗談も混じっていたのかもしれませんが、実家の家計が火の車だったのは事実。学校での集金があるたびに言われ続けていたので、子供ながらに心苦しかったことをよく覚えています。そのため、興味のある習い事や部活も、お金のことを考えると、やってみたいと言い出せず、あきらめることの多い子供時代を過ごしました。

ろくでもない人生は、親のせい

大人になった私は、お金に異常に執着するように。
「お金さえあれば、人は幸せになれる」と信じ、大金を稼ぐために夜の仕事をしていました。
とはいえ、忍耐力や継続力がない私。まとまったお金を稼ぐとお店を辞め、しばらく休むと、また新しいお店を探す……そんな日々を送っていました。

就職や資格勉強への挑戦も考えなくもなかったのですが、行動には移せず、ダラダラと過ぎていく年月に焦りを感じるだけで、世界から自分だけが取り残されているような感覚でした。

好きなことにチャレンジして、最後までやり遂げる。友人たちが当たり前にしてきた、そんな体験を自分はさせてもらえなかった。だから、ろくでもない人生を送る羽目になったんだ、と両親に対して恨みを持つようになっていました。