今回は、筆者の知人A子から話を聞きました。
忙しいワーママ! 家事と育児と仕事に奮闘する日々
A子は、幼稚園年長の長女、年少の長男、1歳の次男を育てる3児の母親です。
長男が4月から幼稚園年少に進級し、次男も1歳を迎えたことで、パートで働き始めました。
慣れない仕事、家事、育児のトリプルタスクに追われる毎日。
目まぐるしい日々の中、A子は、「子どもたちのために、家族のために」と必死にこなしていました。
長男の「お腹が痛い」にドキッ! 働くママの葛藤
ある朝、いつも元気な長男が
「お腹が痛い」
と泣いて起きてきました。
A子は仕事のことが頭をよぎり、「始めたばかりなのに休んだら迷惑がかかる」と焦り、苛立ちを感じました。
しかし、長男の体調が一番大事。
急いで職場に連絡を入れ、休みを取り、長男を病院に連れて行くことに。
診断結果は、「お腹の風邪」。
長男はしばらく幼稚園を休むことになり、家でゆっくり過ごしました。
徐々に長男が回復していく姿を見て、A子はひと安心。
数日後、長男は再び元気に幼稚園に通い始めたのですが、その安心も束の間。再び
「お腹が痛い」
と泣いて訴える長男。
心配が募ったA子は再び病院に連れて行き、詳しい検査を受けさせました。
再びの「お腹痛い」に隠された本当の理由
検査の結果、異常なし。
A子はホッとする反面、「何が原因なんだろう?」と困惑していました。そんな彼女に主治医の先生は優しく話してくれました。
「お子さんのお腹の痛みは、心の不安から来ることもありますよ。慣れない幼稚園生活で、知らず知らずのうちに緊張しているのかもしれません。お母さんがそばにいて、ゆっくり休ませてあげてください」
と。A子はハッとしました。
仕事に追われ、長男の心の不調に気づいていなかったのです。
家に戻り長男をベッドに寝かせ、優しくお腹に手を当てました。
すると、長男は安心したような表情で、
「ママにお腹触られると、痛くなくなるんだよ。なんでかな?」
と不思議そうにつぶやきました。
その瞬間、A子の目から涙が溢れました。
「元気だから大丈夫」と過信していた長男も、慣れない幼稚園生活で必死に頑張っていたのだと気づいたのです。
自分のことでいっぱいいっぱいで、長男の心の疲れに気付けなかった自分を深く反省しました。
今しかない子どもとの時間を大切にしたい!
A子は、「もう二度と、子どもたちとの時間をおろそかにしない」と心に決めました。
子どもたちが小さい今だからこそ、一緒に過ごせる時間を大切にしたいと思ったのです。
それでも、ママはいつだって忙しいもの。
全部を完璧にやるのは難しいけれど、できる範囲で、今この瞬間の大切さを忘れずに毎日を過ごしていきたいと思ったA子でした。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。