子どもの頃に描いていた夢を、あなたは覚えていますか?
夢を叶えた人もいれば、挫折したり諦めてしまった人もいることでしょう。
今回は、そんな夢を持つ大切さを教えてくれた、筆者の知人A子さんの祖母のお話です。

絵を描くのが大好き

A子さんの祖母であるB子さんは、戦後すぐに生まれました。
B子さんは絵を描くことが大好きだったのですが、その時代は食糧難の真っ只中。
絵具なんてものを買う余裕はなかったのです。

そのためB子さんは、いつも地面の砂に木を使って描いていました。
案外どんな場所にでも絵は描けるもので、夢中になってしまい両親に怒られることもあったそうです。

「私の夢は?」病床で思い出す自分の夢

B子さんも大人になり、お見合いで結婚することになりました。
4人の子どもに恵まれ幸せに暮らしていたのですが、なんと夫が急死。
どうにかパートを掛け持ちして、子どもを育て上げました。

そうして子ども達も成人し、やっと一息つけると思った矢先の出来事でした。
なんと自身も重い病気になってしまい、入院を余儀なくされたのです。

B子さんは、沢山の点滴や管に囲まれて、自分はこのまま死んでしまうのだろうと思いました。
そんな時、ふと「自分の夢は何だったのか」を思いだしたのです。

「私は、絵が描きたかったんだ」

残りの人生を、夢に注ぐ

B子さんは、それからひたすら絵を描き始めました。
最初はメモ帳にボールペンで描いていたのですが、自身の息子に頼んで画材を買ってきてもらうほど本格的に。
あまりの楽しさに食事も忘れるほどのめり込んでしまい、看護師さんに怒られたことも。

ある日、描き上げた絵を見たB子さんの息子が、「公募展に出してみては?」とB子さんに提案しました。
B子さんは、どこにも習ったことがなく恥ずかしいからと断りましたが、なんと息子が半ば強引に公募展に応募。
すると、まさかの奇跡が起こったのです。

夢を持つことは素晴らしいこと。どうか諦めず、夢を追ってほしい

なんとB子さんの絵が、銀賞を受賞したのです!
B子さんは驚きで何が起こったのか分からないほど興奮しましたが、「世の中に初めて認められた」と、思わず涙がこぼれたそう。
そしてB子さんは、「いくつになっても、夢を見ていいのだ」と、強く実感したと言います。
彼女は亡くなる前に、次のような言葉を残しました。