筆者の友人Aの話です。子どもたちの大学進学を機に仕送りが必要になりましたが、家計を管理する夫から思いがけないことを言われて──。
画像: 大学生の我が子に生活費を貸し付け借金扱いする夫。過剰な自立教育で子どもの期待を失ってしまった件

家計から出して

「今まで家でかかっていた分を、そのまま仕送りしたらいい」
子どもたちが大学進学を機に上京することになったとき、夫からそう言われました。
わが家では夫が家計を管理しており、私は夫から渡された生活費で日々のやりくりをしています。
子どもが家を出れば食費などは減るのだから、その分をこれまでの家計費から仕送りに回せばいいというのが夫の考えでした。

「一人家を出しても、家の生活費がその分減るわけじゃないよ。電気代や水道代だって、向こうでもかかるんだから」
そう伝えましたが、夫は一度決めるとなかなか考えを変えません。
結局、家計費だけでは足りない分を私のパート代から補うことになりました。

すぐバイト探し

子どもたちも、私がパート代から不足分を出していることを知っていました。
父親が簡単にお金を出さないことも知っています。
そのため上京すると、大学生活が始まって間もないうちからアルバイトを探し始めました。

アルバイトで社会経験を積むことも大切です。
それでも、新しい土地で大学生活を始めたばかりなのに、まず生活費を補うために仕事を探す子どもたちを見ると不憫に感じました。

いつまでに返す?

それでも、急な出費などでどうしてもお金が必要になることがあります。
そんなときには子どもたちから夫へ連絡することもありましたが、夫はお金を渡す前にこう確認していました。

「いつまでに返す?」
援助ではなく、あくまで貸すという考えです。
親でも無尽蔵にお金を出せるわけではありません。
夫なりに、お金に責任を持たせようという考えもあったのだと思います。

ただ、そんなやりとりが重なるうちに、子どもたちは次第に父親へお金の相談をしなくなりました。
それだけではありません。
何かあったときに父親を頼ったり、期待したりすること自体がなくなっていったのです。

体験者の声

子どもを自立させることと「困っても親には頼れない」と思わせることは、同じではないのだと感じています。
大学生になれば、自分で働いてお金を得る経験も必要でしょう。
一方で、困ったときに相談できる場所があることも大切です。
夫は子どもたちにお金の大切さや自立を教えようとしていたのかもしれません。
でも、その結果、子どもたちが父親に何も期待しなくなってしまったのだとしたら、その代償は決して小さくなかったと思っています。

【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2026年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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