
息子夫婦
私は大手企業に勤務する夫と2人暮らしです。
一人息子はすでに結婚し独立。
地方公務員として安定した生活を送っていました。
嫁のM美さんは息子より5歳年上で、フルタイムで働きながら家庭を支えていました。
私はM美さんに対し、大人しくしっかりした人といった印象を持っていました。
夫婦仲も良く、経済的にも息子家族のことはまったく心配していなかったのですが……。
突然の決意
今年の夏休みのことです。
帰省した息子夫婦と家で食事をしていた際、息子から「役所を辞めて起業しようと思う」という話がありました。
息子にはしっかりしたビジョンがあるようでしたが、現在の仕事を辞めるほどのメリットを感じることができなかった私たち夫婦は猛反対!
特に夫は「せっかく安定した職に就いているのに起業なんてとんでもない!」と言い、食卓には気まずい空気が流れました。
嫁の覚悟
私は嫁のM美さんがどう思っているのかを知りたいと思いました。
一般的に考えれば、公務員という職業には妻として安心感を持てるはずと感じたからです。
しかし「M美さんはどう思ってるの? 当然反対よね?」と尋ねると、M美さんは慌てる様子もなく、冷静にこう言ったのです。
「贅沢しなければ、私の給料で当面生活はできます。好きにやってみたら良いんじゃないでしょうか」
支えること
M美さんに対しては、大人しく、息子の後ろをついていくようなイメージを持っていた私。
しかしM美さんのセリフを聞いて、本当の意味で息子を支えているのはこの人なのだと痛感しました。
M美さん曰く、確かに公務員という仕事は安定はしているものの、公職ならではの大変さがあるとか。
自分もできる限り支えていくと言ったM美さんを見て、2人できちんと話し合った結果なんだろうと思い、最終的には夫も私も応援することに決めたのです。
体験者の声
M美さんの決断力と覚悟を見せつけられ、私は脱帽するしかありませんでした。
親の立場だけで考えると、どうしても安定を求めてしまいがちですが、息子夫婦が決めたことであれば、いちいち騒ぐのは違うのかもしれません。
口出しするのではなく、息子たちを信じて見守ることが、親ができる一番の応援なのだと学ばされた出来事でした。
【体験者:50代女性・主婦、回答時期:2026年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


