
犯人扱いされた息子
私の息子は、同じクラスのDくんと仲良しで、しょっちゅうお互いの家を行き来しています。
ある日、そんなDくんのママであるB美さんから一本の電話がありました。
「うちの子のゲーム機がなくなったの。お宅の子が遊びに来たあとだったから、もしかしてと思って……ねえ、ちゃんと聞いてみてくれる?」
はじめから息子が盗ったと決めつけるような言葉にモヤモヤしながらも、念のため確認してみることに。
すると息子は「ぼく、絶対に盗ってない! なんでそんなこと言われなきゃいけないの」と、涙ながらに訴えるではありませんか。
その必死な様子から、私は「この子は本当にやっていない」と確信しました。
「謝罪はできません!」
ところがB美さんは、引き下がりません。
「子どもって、こういうとき嘘をつくものだから」
「とりあえず謝ってくれれば、こっちも気が済むのよ」
そう言って、あくまで謝罪を求めてくるのです。
しかし、やってもいないことで謝れば、我が子の言葉を、親である私自身が否定することになります。
「息子はやっていないと言っています。証拠もないのに、謝ることはできません」
そう毅然と伝えると、B美さんは激昂。
しばらく、気まずい冷戦状態が続きました。
まさかの真相
ところが数日後。
B美さんから、ばつが悪そうに連絡が入りました。
「ごめんなさい。ゲーム機、ソファの下から出てきたの……」
やっぱり息子の言うことは正しかった!
我が子のことを信じて、本当によかった──。
さんざん決めつけてきたB美さんには、正直腹が立ちました。
でも、それ以上に私の心を打ったのは、子どもたちのその後の様子だったのです。
D君はすぐに、「疑って本当にごめん!」と、息子に対して誠心誠意謝ってくれたそう。
息子もそれをすんなり許し、ふたりの友達関係には、何のひびも入りませんでした。
体験者の声
意地を張ったり、相手を責め続けたりするのは、むしろ大人のほうなのかもしれません。
子どもたちの素直さに、なんだかこちらのほうが教えられたような気がしたのでした。
【体験者:30代女性・パート主婦、回答時期:2026年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


