
口出しばかりの母
娘を出産後、近所に住む母がよく育児の手伝いに来てくれるようになりました。
娘を可愛がり、積極的に育児の協力をしてもらえることがとてもうれしかった私。
その一方で、会うたびに言われる小言が徐々に気になるようになっていったのです……。
「そんなやり方じゃ子どもがかわいそう」
「ミルクもう少し冷ました方がいいわ」
最初は単純に『育児の先輩にいろいろ教えてもらえて助かるわ』『私や娘を心配してくれているのね』と笑って流せていた私。
でも、次第に私がすることなすこと育児のすべてに対し、こと細かく指図するようになったのです。
喧嘩
ある日、娘を抱っこしながら、
「ママはおおざっぱだから、ばあばがちゃんとしてあげる」
と娘に言い聞かせていた母。
『慣れないなりに一生懸命頑張っているのにそれは酷い!』と育児の疲れが溜まっていたこともあり、思わずカチンときた私。
「私の家庭のことは私に任せてよ!」
「いちいちお節介で迷惑だから」
すると母はムッとして、
「親に向かってそんな言い方するなんて!」
と怒ってきたので、
「娘だからって何を言ってもいいわけじゃないわ!」
とつい、口論になってしまいました……。
母の想い
それからというものの、母はあれほど頻繁に来ていたにもかかわらず、めっきり我が家に来なくなってしまいました。
私から謝罪するのも何だか悔しさが邪魔をして連絡できず、気まずいまま2週間が過ぎたころ、兄から電話が。
「母さんは自分が必要とされなくなるのが怖いみたい」
と母がかなり落ち込んでいることを教えてもらえたのです。
そこで初めて、母のこれまでの言動の裏には“娘の役に立ちたい”という気持ちがあることに気づけました。
仲直り
その後、実家に赴き、
「助けてもらえるのは嬉しい」
「でも私なりに頑張っていることも尊重してほしい」
と母にしっかり気持ちを伝えた私。
母も少し黙ったあと、
「じゃあ頼まれたときだけ手伝う」
「口出ししすぎてごめんね」
と約束してくれ、以前よりも穏やかに話せるようになりました。
筆者の見解
家族だからこそ、遠慮なく踏み込める部分と踏み込みすぎてはいけない部分があります。
大切なのは簡単に縁を切ることではなく、お互いが気持ちよく付き合える境界線を一緒に考えることなのかもしれません。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


