
断れない「お下がり」の山
ママ友のA子さんは、息子さんがサイズアウトした服やおもちゃを、会うたびに大量に持ってきてくれました。
「まだ着れるから使って!」
と満面の笑みで渡されるのですが、正直なところ好みに合わないものや状態の悪いものも多く、内心困っていました。
それでも好意で持ってきてくれているだけに、なかなか「いらない」とは言い出せず、玄関には行き場のない紙袋がどんどん増えていく一方でした。断るタイミングを逃し続けたまま、気づけば半年以上その状態が続いていたのです。
息子の衝撃の一言
そんなある日、A子さんの目の前で、息子(5歳)が渡された服を広げてこう言い放ちました。
「これシミとかついてて、汚れてるけど、この汚れって取れるの? このまま着れないよね?」
悪気は一切なく、ただ思ったことをそのまま口にしただけの様子。私は内心ヒヤヒヤしましたが、止める間もありませんでした。
子どもの視点には忖度がなく、大人同士なら絶対に口にしない一言が、あっさりと場の空気を変えてしまったのです。
A子さんの態度が変わった
さすがのA子さんも気まずそうな表情を浮かべ、その場は何とも言えない空気に。しかしそれ以降、A子さんは持ってくる前に
「お下がりいる? いらなかったら断ってね」
と一言確認してくれるようになりました。以前のような一方的な押しつけはなくなり、必要なものだけをありがたく受け取れる関係に変化。
おかげで私も気兼ねなく本音を伝えられるようになり、関係はむしろ良くなったように感じています。
筆者の見解
大人になると、相手への気遣いから本音を飲み込んでしまう場面が増えていきます。今回、子どもの何気ない正直な一言が、私が長年言えずにいた本音を代わりに言ってくれたようでした。取り繕わない言葉だからこそ、誰も傷つけずに関係を変えるきっかけになったのだと思います。子どもの素直さに救われることもあるのだと、改めて実感した出来事でした。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


