
心無い一言が生んだ涙
少年野球チームの保護者同士で話していたときのことです。突然、ベテランママ友Aさんが、その場にいないシングルマザーのBさんについてこう言いました。
「シングルだから、お金をちょろまかしそう(笑)」
悪気のない冗談のつもりだったのかもしれません。しかしその言葉は、後日巡り巡ってB さん本人の耳に入りました。Bさんは、その言葉にショックを受け、人前で涙を流すほど深く傷ついていたのです。
日頃の行動で得ていた信頼
Bさんは普段から、本来お父さんが担当することの多いグラウンド整備や審判なども率先して引き受け、誰よりもチームに協力していました。父親不在の家庭でありながら誰よりも汗をかいていたBさんの姿を知る保護者たちからは、「ひどすぎる」「Aさんは謝るべきだ」という声が次々と上がりました。
謝らないAさん、変わっていく周囲の目
それでもAさんは最後まで「悪気はなかった」の一点張りで、Bさんに謝罪することはありませんでした。しかしこの一件をきっかけに、保護者たちのAさんを見る目は、少しずつ変わっていったのです。
数か月後、チームでは新しい役員を決めることになりました。役員をやりたがっていたAさんでしたが、その名前を挙げる保護者は誰一人いませんでした。一方で挙がったのは、「いつもチームのために動いてくれているから安心して任せられる」というBさんの名前。そのまま満場一致で役員に決まったのです。偏見ではなく、日頃の行動をちゃんと周りは見ているのだと、実感しました。
筆者の見解
何気ない一言が持つ怖さと同時に、日頃の行動は誰かがちゃんと見てくれているのだと、あらためて感じた出来事でした。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


