これは、友人の体験談です。

パートナーの変化
結婚したばかりの頃、夫はとても優しい人でした。
ところが私が出産した後、少しずつ夫の私への態度が変わっていったのです。
子どもが一人の頃は何とかこなせていた家事も、二人目が生まれると一気に余裕がなくなります。兄弟げんかを止め、泣けば抱っこをし、その合間に食事を作り、洗濯や掃除をすませるだけで一日が終わっていました。
それでも彼は「ずっと家にいるのに掃除が足りない」「料理も手抜きだ」と、不満ばかり口にするようになったのです。
子どもたちが騒げば、「仕事で疲れてるんだ。早く静かにさせろ」と怒鳴られることもありました。
私は家事の手を止め、幼い我が子を別の部屋へ連れて行き、なんとか泣きやませようと必死でした。
私を動かした言葉
「専業主婦のくせに、家事も育児も全然できていない」
ある日彼から放たれた一言に、私はいよいよ我慢の限界に達しました。
そこで思い切って聞いたのです。
「もし共働きだったら、文句はないの?」
すると彼は、迷うことなくこう言いました。
「ちゃんと収入があるなら何も言わない。でもお前は、俺の稼いだ金で生活しているんだから、俺の言う通りにしろ」
その言葉が、私の中で何かを変えました。 私は、その日のうちに求人サイトを開いたのです。
子育てをしながらの仕事は想像以上に大変でしたが、自分で収入を得られるようになると、不思議と自信が持てるようになりました。
「もしもの時は、一人で子どもたちを育てる」
そんな覚悟も持てるようになり、少しずつ前を向けるようになったのです。
はじめて言い返せた日
社会復帰から半年ほどたったある日。
夫は以前と変わらず、「今日も手抜きだな」と言いました。
その瞬間、私は言い返しました。
「共働きなら文句ないって言ったよね。手抜きだと言うなら、あなたも働きながら家事と育児をやってみて」
一瞬目を丸くした彼は、そのまま背を向け、何も言い返しませんでした。
体験者の声
夫は今でも大きく変わったわけではありません。
それでも、あの時の悔しさがあったから私は社会へ踏み出し、自分の力で収入を得られるようになりました。
もし彼がずっと優しいままだったら、私は今とは全く違う人生を歩んでいたかもしれません。
あの言葉は今でも許せません。でも、あの悔しさがあったからこそ、自分の力で生きていけるという自信を手に入れられたのだと思います。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

