
介護職だからって丸投げ?
私は普段、介護の仕事をしています。ある時、義理の親に本格的な介護が必要になり、夫の兄弟(3人兄弟の長男である夫、別居している義姉、弟)が集まって今後の介護方針について話し合うことになりました。
私は仕事の知識と経験を活かし、お互いの生活を犠牲にしないよう、外部の介護サービスをうまく組み合わせた無理のないプランを提案しました。しかし、兄弟たちの反応は私の想像を絶するものでした。兄弟の中で一番実家に近かった我が家、ひいては「介護のプロ」である私をあてにし、最初からすべてを丸投げする気満々だったのです。
義家族たちの理不尽な言い分
別居している義姉は、さも当然のような顔をしてこう言ってのけました。
「あなた、仕事で他人の世話をしてるくらいなら、身内の親の面倒を優先して見なさいよ。その方が親だって安心でしょ?」
さらに弟は「外部のヘルパーさんなんて使ったらお金がかかるじゃないか。その費用は誰が出すんだよ」と、一銭も身銭を切りたくない本音を隠そうともしません。
介護の仕事はボランティアではありません。仕事を持ち、自分の生活もある私を、都合のいい「無料のヘルパー」代わりに使おうとする義家族たちの身勝手極まりない態度に、私は悲しさと怒りで震えました。
頼れる夫の強烈な一喝
私が言葉を失っていると、それまで黙って話を聞いていた夫が、もの凄い剣幕で机を叩いて立ち上がりました。
「お前たち、いい加減にしろ! 妻はプロとしてプライドを持って働いているんだ。お前たちの無料ヘルパーじゃない!」
普段は温厚な夫の激昂に、義姉も弟も一瞬で静まり返ります。さらに夫は、怯む兄弟たちに向けて決定的な一言を言い放ちました。
「そこまで親の介護を全部こちらに押しつけたいなら、お前たち全員、相続放棄の書類にサインすると誓え! それならこっちが全部面倒を見てやる。一切文句は言わせん!」
お金に執着している義姉や弟にとって、将来もらえるはずの財産を失うかもしれない「相続放棄」という言葉は、何よりも強烈な一撃でした。もし本当に放棄させられたら大損すると焦ったのか、2人は一瞬で顔を真っ青にし、ぐうの音も出ずに黙り込んでしまいました。
体験者の声
夫が毅然とした態度で守ってくれたおかげで、義家族たちの「嫁への丸投げ計画」は見事に打ち砕かれました。その後は態度を改めた兄弟たちと冷静に話し合い、曜日ごとに介護の担当をしっかりと割り振ることで合意しました。
実家に近い我が家の負担はどうしても多めにはなりましたが、最後まで全員で役割を分担し、自宅での介護を全うすることができました。理不尽な義家族をビシッと黙らせてくれた夫には、今でも心から感謝しています。
【体験者:40代、筆者、回答時期:2026/06】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


