
何でも食べてしまう夫
夫には昔から、人の分まで食べてしまう癖がありました。
いわゆる「食い尽くし系」です。
冷蔵庫の作り置きや子どものおやつにまで平気で手を伸ばし、「余っていると思った」と言います。
「残すほうが悪い」と悪びれる様子もありません。
何度注意しても、その場では理解したような顔をするものの、しばらくすると同じことの繰り返し。
「もう、どうにもならないのかな……」と諦めかけていましたが、ある時、その考えが大きく揺らぐ出来事が起きました。
まさか入院食まで……
私が第二子を出産して入院していたときのことです。
面会に来た夫は、私が赤ちゃんのお世話をしている間に、なんと差し入れのお菓子を無断でむしゃむしゃと食べ始めました。
それだけでも驚いたのに、母体の回復のために用意された入院食のデザートまで当然のように口へ運び、「甘い物は苦手だろ? 俺が食べてやるよ」と一言。
その場を偶然見た看護師さんが「これはお見舞いの方の分ではありません!」とすぐに夫をたしなめてくれて、話は医師にも伝わりました。
その結果、退院指導の際に夫は医師から「奥さんの回復を第一にしてください」と注意を受けることになったのです。
娘の一言が突き刺さる
それでも夫は「大げさだなぁ」と笑っていました。
しかし退院後、私の食事にまた箸を伸ばそうとした瞬間、幼い娘が「ママのごはん食べないで! ママは赤ちゃんの分まで食べないとだめなんだから」と真剣な顔で言ったのです。
その言葉に夫は固まり、何も言い返せませんでした。
大人から何度注意されても響かない様子だった夫でしたが、娘の素直な一言で、初めて自分の行動を客観的に見ることができたようです。
変わるきっかけは意外なところに
その後、家族で改めて「人の分には手を付けない」という食事のルールを決めました。
長年の癖になっていた「食い尽くし」は、簡単には直りませんでしたが、娘の注意もあって、夫も意識して改善に取り組むようになりました。
今では、以前のように勝手に人の分まで食べることはほとんどなくなりました。
体験者の声
周囲が叱るだけでは変わらなかった夫が、娘の一言でようやく変わったことに、子どもの言葉の重みを改めて感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

