「フルタイムなので」と、PTA役員の仕事から逃れてきたB美さんと、平日のショッピングモールでばったり会って──? 知人の体験談です。
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PTA役員決めの憂鬱

小学生の息子をもつ私。
毎年憂鬱に感じるのが、PTAの役員決めです。
ただでさえ毎日忙しいのに、できれば面倒な仕事は避けたい──。
そう思うのは、みんな同じですよね。

しかし、役員を決める段になると、同じクラスのママ友であるB美さんは、いつも決まって、こう宣言します。
「私、フルタイムで働いているので、役員は本当に無理なんです」

そう言われてしまっては、反論できません。
私を含むほかのママたちも、「フルタイムなら仕方ないよね」と納得せざるをえず、パート勤務や専業主婦のママたちで、毎年役員の仕事を引き受けていたのでした。

「えっ、フルタイム勤務じゃなかったの!?」

ところが、ある日のこと。
平日の昼間、ショッピングモールで、B美さんとばったり出くわしました。
彼女は普段着で、のんびりと買い物を楽しんでいる様子です。

「あれ、B美さん。今日はお休みですか?」
何気なくそう声をかけると、B美さんはびっくりした様子で顔をひきつらせ、固まってしまいました。
そして、「あ……今日は、た、たまたま……」と、不自然に言葉を濁すのです。

あまりにも挙動不審すぎる──。

彼女の態度がなんだか引っかかった私は、後日、共通のママ友であるC子さんにその話をしてみました。

すると、返ってきたのは思いがけない一言。
「え、B美さんって、今は専業主婦よ」

……え?

聞けば、B美さんは数年前に仕事を辞めており、それからはずっと専業主婦だったんだとか。
子どもの学年が違うこともあり、私たちの学年の役員決め事情を知らなかったC子さんも、驚いた様子でした。

「フルタイム勤務だなんて、役員を断るための、真っ赤な嘘だったのね」

気まずい空気

あえてこのことを広めるようなことはしませんでしたが、こういったことが他にもあったのでしょうか。
B美さんの嘘は、誰からともなく、じわじわとママたちの間に広まっているようでした。

そして迎えた翌年の役員決め。
例によってB美さんが「私、フルタイムなので……」と言いかけた、その瞬間、別のママがそれを遮りました。

「あら、お仕事に復帰されたんですか? てっきり専業主婦でいらっしゃると、みんな思っていたので」

周囲のママたちの視線が、一斉にB美さんへと集まります。
B美さんは顔を真っ赤にして、わかりやすくしどろもどろに。

そして、「あ……実は最近、状況が変わって。もうすぐ落ち着きそうなので……やっぱりできます」と、初めて役員を引き受けたのでした。

筆者の見解

嘘をついて、やりたくないことをほかの人に押しつけ続けた結果、それがバレてしまったB美さん。
ママ友付き合いやPTAの仕事は、かなりやりづらくなってしまったことでしょう。

結局、嘘やごまかしはいつかバレてしまうもの。
本当に難しいことであれば、「苦手なので」と素直に相談していれば、もう少し違う結末になっていたのかもしれません。

【体験者:40代女性・専業主婦、回答時期:2026年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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