学校からのお知らせがスマホに届くのが当たり前になった今、昔のやり方に驚くことがありますよね。特に「連絡網」は、今では考えられない仕組みでした。今回は、連絡網での“まさかの伝言ミス”を通して、当時は気づかなかった親の気苦労に思いを巡らせたエピソードをご紹介します。
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新学期に配られる、ある一枚の紙

私が小学生だった頃、学校には「連絡網」がありました。

台風による休校や持ち物の変更などがあると、先生が何軒かの家に電話をかけ、それぞれの家が次の家へと順番に伝えていく仕組みです。

そのため、新学期になるとクラス全員の名前と電話番号が載った一覧表が配られていました。今では個人情報保護の観点から考えられませんが、当時はそれが当たり前でした。

我が家も、決められた順番に従って次の家へ、お知らせをつないでいました。

母が四苦八苦した電話

ある日、学校からの連絡が回ってきたときのことです。我が家の次のご家庭は、親が中国出身でした。

日本語を話せるものの、片言だったため、母はいつも以上にゆっくり話したり、言葉を言い換えたりしながら要件を伝えていました。

なんとか伝え終えたものの、母は「ちゃんと理解できたかな」と気になっている様子。しばらくしてから、念のためさらに次の家へ電話をかけて確認してみることにしました。

すると、内容が違う形で伝わっていたことが分かったのです。

慌てた母は事情を説明し、その家から改めて正しい情報を伝えてもらうことになりました。

大人になって気づいたこと

当時の私は「大変そう」くらいにしか思っていませんでした。けれど、大人になった今、母の姿を思い返すと見方が変わりました。

母はただ決められた順番に電話をしていたわけではありません。相手にきちんと伝わったか気にかけ、必要なら確認し、間違いがあればフォローしていたのです。

学校からの伝達事項を滞りなく届けるため、多くの保護者が責任を持ってバトンをつないでくれていました。

筆者の見解

今では学校からのお知らせはメールやアプリで一斉配信されるようになり、伝言ミスの心配はありません。

便利になったのは間違いありませんが、あの頃は受話器ごしに「ありがとうございます」「よろしくお願いします」と言葉を交わしながら、保護者同士が学校生活を支えていました。

あの頃の母は、ただ電話をかけていたのではなく、周囲への気遣いと責任感を持ちながら、一つひとつの連絡をつないでいたのだと気づきました。

時代の変化を感じると同時に、当時は気づかなかった母の気苦労と優しさに、改めて感謝したくなった出来事です。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

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