
「根性」が何より優先された時代
Yさんの弟は中学校で男子バレー部に所属していました。
当時の部活動では、練習中の水分補給は禁止。真夏の炎天下でも自由に水を飲むことは許されず、「根性が足りない」が合言葉のような環境だったそうです。
さらに、プレーでミスをすると顧問からビンタを受けることもありました。
一人が失敗すると全員が連帯責任として罰を受けることも当たり前だったといいます。
当時の生徒たちは、「部活とはそういうものだ」と思い込み、疑問を抱くことすらなかったそうです。
練習試合で起きた出来事
そんなある日、他校との練習試合中に事件が起きました。
試合中にミスをした生徒に対し、顧問が激怒したのです。
大勢の前で怒鳴りつけたうえ、ズボンを脱いで校内を走るよう命じたといいます。
さすがにその光景を見た他校の関係者も驚き、問題視されることになりました。
結果として顧問はしばらく謹慎処分を受けたそうです。
しかし当時は今ほど体罰への認識が厳しくなく、その後は何事もなかったかのように現場へ戻ってきました。
生徒たちも「そういう先生だから」と受け入れるしかなかったといいます。
今だから分かること
大人になった今、Yさんは当時を振り返り、
「あれは指導ではなく暴力だった」
と感じるそうです。
当時は当たり前だと思わされていましたが、今なら大きな問題になる行為ばかりでした。
時代が変わり、体罰やハラスメントへの認識が広がったことで、子どもたちを守るためのルールも整備されてきました。
当時は「厳しい指導だから仕方ない」と受け入れていました。しかし大人になった今振り返ると、あれは指導ではなく暴力だったと感じるそうです。
昔は当たり前とされていたことでも、決して当たり前ではなかった。
時代が変わった今だからこそ、子どもたちを守るためのルールの大切さが必要と実感した出来事でした。
【体験者:50代・男性会社員、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Anne.R
看護師として9年間、多くの人生に寄り添う中で「一人ひとりの物語を丁寧に伝えたい」とライターの道へ。自身の家づくりやご近所トラブルの実体験に加え、現在は周囲へのインタビューを通じ、人間関係やキャリアなど女性の日常に寄り添った情報を発信している。

