
普段は無視される関係
私の近所には、あまり良好とは言えない関係の女性Iさんが住んでいました。
Iさんは他のご近所さん達と行動を共にすることが多く、よその県から来た私に対して冷たい態度を取ることも少なくありません。
一方で、お向かいに住むNさんご夫婦とは事情が違いました。
奥さんであるT美さんとは折り合いが悪かったものの、ご主人のNさんはいつも気さくに接してくれたため、私も普通に会話をする仲でした。
洗車中に始まったまさかの光景
ある日曜日の朝。
庭で掃除やガーデニングをしていた私は、洗車をしているNさんと立ち話をしていました。
するとそこへIさんが現れます。
しゃがみ込んでいた私の存在には気付いていない様子でした。
IさんはNさんに近付くと、
「おはようございまぁす♡」
と甘えた声で挨拶。
さらに、
「洗車してるんですね♡」
「腕まくり似合いますね♡」
と言いながら腕に触れ始めたのです。
Nさんは困ったように距離を取ろうとしますが、なかなか解放してもらえません。
その様子を見ながら、私は現れるタイミングを逃し、思わず苦笑いをしました。
我慢できず飛び出した一言
Nさんが助けを求める目線を送ってくるも、見てみぬふりをしてしばらく攻防戦を眺めていた私。
しかし、5分経ってもなかなか終わる気配がありません。
そろそろ家に入りたくなった私は意を決して二人の前へ。
そして少し大きな声で、
「おはようございまーす♡」
と、Iさんと同じようなテンションで挨拶しました。
突然現れた私にIさんは唖然。
「え!? いたん?」
と驚きます。
私は笑顔で、
「最初からおったよ〜♡」
と返しました。
すると、それまで積極的だったIさんは急に大人しくなり、そのまま帰って行きました。
見られていたと知った結果
後日、私は近所でIさんと顔を合わせた際、いつもどおり挨拶をしました。
するとIさんは気まずそうな表情を浮かべ、その場を早々に立ち去りました。
それ以来、それまで続いていた嫌味や意地悪な言動はほとんどなくなりました。
私は、特に何か言い返したわけでもない。ただ最初から全部見ていただけです。
筆者の見解
人は見られていないと思っている時ほど本音や本性が出るものなのかもしれません。
誰かが見ていないと思っていても、常に自分の行いに責任を持って行動したいと思った出来事でした。
【体験者:30代・筆者、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Anne.R
看護師として9年間、多くの人生に寄り添う中で「一人ひとりの物語を丁寧に伝えたい」とライターの道へ。自身の家づくりやご近所トラブルの実体験に加え、現在は周囲へのインタビューを通じ、人間関係やキャリアなど女性の日常に寄り添った情報を発信している。

