
先輩ママ友直伝の「恒例行事」
私の子どもが小学1年生になり、小学校で初めての運動会を迎える時のことです。
保育園時代とは違う規模の大きさに、「我が子の晴れ姿をしっかりカメラに収めたい!」と私もすっかり気合いが入っていました。
そんな時、上の子がいる先輩ママ友からこんなアドバイスを受けたのです。
「運動会で最前列を取るなら、朝早くから校門前に並ぶのがうちの小学校の恒例だよ! みんな暗いうちから行くよ」
初めてのことで勝手がわからなかった私は「そういうものなのか!」と真に受け、運動会当日の早朝、まだ薄暗い時間から小学校へと向かいました。
すると驚いたことに、校門前にはすでに折りたたみ椅子やレジャーシートを持った保護者の長蛇の列ができているではありませんか。
エスカレートする早朝待機とご近所トラブル
列に並んで待っている間、周りの保護者に話を聞いてみると、「この早朝からの場所取り、毎年毎年、並び始める時間がどんどん早くなっているのよ」とのこと。
待機中の保護者たちは長時間暇を持て余しているため、あちこちで井戸端会議が始まっていました。
しかし、ここは住宅街のど真ん中。早朝の静まり返った時間帯に響き渡る大人の話し声や、シートを広げる音、車のドアの開閉音は非常に目立ちます。年々エスカレートしてどんどん早まる騒音の発生に、ついに近隣住民の方々もしびれを切らしたのでしょう。
案の定、この早朝待機による騒音問題は近隣からの大クレームに繋がり、後日PTAでも取り上げられるほどの大問題に発展してしまったのです。
悪しき風習の廃止と平和な新ルールの導入
「子どものための行事で、近隣に迷惑をかけるなんて本末転倒だ」
「そもそも、一部の人しか最前列で見られないのは不公平だ」
様々な意見が飛び交う中、学校とPTAはついに「場所取りの全面廃止」という決断を下しました。
そして翌年からは、画期的な新ルールが導入されました。
それは「演技中の学年の保護者が、最前列の専用エリアで優先的に見られる「入れ替え制」です。自分の子どもの出番が終わったら次の学年の保護者に場所を譲るという、非常に合理的で平和なシステムでした。
体験者の声
このルールが導入されてからというもの、あの殺気立った無駄な場所取り合戦は完全に消滅しました。
睡眠時間を削って並ぶストレスもなくなり、全員が平等に、一番良い特等席で我が子を応援できるようになったのです。
「昔からの恒例だから」と思考停止で続けていた悪しき風習が、一つのトラブルをきっかけに見事な解決を迎えた、本当にスッキリした出来事でした。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


