何かに迷ったとき、なかなか決断できないとき。誰かに決めてほしいと思うこと、ありますよね。
今回は「私の母は冷たい人」だと思っていた筆者の友人のエピソードを紹介します。
画像: 「何もできない子になるから」出産した娘が気づいた、冷たいと思っていた母の真意

私の母は放任主義?

私の母のことです。

これまで母は、放任主義だと思っていました。

たとえば、進路について。基本的には「自分で決めなさい」というスタンスで、オープンスクールや学校のパンフレットなどは取り寄せてくれるものの、どこを受験するかなどの決断はすべて私自身に委ねられていました。

友人関係で揉めたときもそうです。母は相手の親や先生に謝罪をしてくれるものの、私に対しては怒ったり怒鳴ったりすることは一切しませんでした。

私たちに愛情を注いでくれた母

母との関係が悪いわけではありません。父とともに仕事をして、帰ってきてから家のことや私たち子どもの面倒を見てくれて、とても感謝しています。

毎日おいしいごはんを作ってくれて、参観日や運動会などのイベントは必ず来てくれて。誕生日になると、いつも欲しいものを買ってくれて。兄や妹と何ら変わらず、分け隔てなく接してくれます。

ただ、相談に乗ってくれない、心配してくれない。なんでも自分で決めさせる母は、私たち子どもに対して放任で、冷たいのだと思ってきました。

母に対する認識に変化があったのは、大人になってからです。

いつの間にか身についた“決断力”

大人になり、何かしらの判断を求められる場面で、自分がそれほど迷わないことに気づきました。

転職するかどうかのタイミングも、人間関係のトラブルも、大きな決断も。「誰かに聞いてほしい」と思うよりも先に、自分自身がどうしたいかを考えられるようになっていったのです。

同じ会社で付き合っていた彼と結婚の話が出たときも、二人で実家にあいさつに行くと「あなたが選んだ人で、この人がいいと思ったんなら母さんは反対しないよ」と受け入れてくれました。

周りの友人や同僚は、事あるごとに「どうしたらいいと思う?」と言いながら、ずっと同じことで悩んだり迷ったりしています。その姿を見て、私は母のおかげで“考える力”や“決断力”が身についたのだと実感しました。

体験者の声

私は彼と結婚し、その後妊娠・出産をしました。

娘が生まれてから母に会いに行ったとき、母が娘を抱っこしながらぽつりとつぶやきます。

「可愛いでしょう、何かあったらって思うと心配でしょう」
「でもね、心配ばかりで何もできない子になったら、この子が後で困るからね」

その言葉を聞いて、母は放任だったわけでも冷たかったわけでもないことが改めてわかりました。

目も心も離さずに、私を信じて見守ってくれていたこと。
本当は口出ししたかったはずなのに、ぐっと耐えてくれたこと。

「母はすごい」──そう心から思いました。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:清水マキ
育児を機にキャリアを転換し、独学からライター講座の添削講師まで登り詰めた実力派。PTAやスポ少での積極的な交流から、ママたちの「ここだけの話」を日々リサーチ。金融記事も手がける確かな知性と、育児に奮闘する親としての等身大な目線を掛け合わせ、大人女性のライフスタイルから切実な悩みまでを鋭く、温かく描き出す。

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