人生の大きな決断は世間のペースや常識ではなく、自分自身の気持ちで選びたいと思うもの。筆者の友人は周囲の声に焦るときほど、一度立ち止まって自分の心と正直に向き合いたくなって──。
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焦りから結婚を考えていた私

20代後半の頃、私は結婚に焦りを感じていました。

周囲の友人たちが次々に結婚し、親戚からも「いい人いないの?」と聞かれる中、当時付き合っていた彼との結婚を意識せざるを得ませんでした。

ただ、心のどこかに引っかかるものもありました。

付き合う中で、価値観の違いを感じる場面が何度かあったのです。
それでも「彼と別れたら次がないかもしれない」という不安のほうが大きく、違和感にふたをして、焦って結婚を進めようとしていました。

母から返ってきた意外な言葉

ある日、実家で何気なく結婚について母にこぼしたことがありました。

「20代のうちに結婚したほうがいいよね……」浮かない顔でそう話す私に、母は少し考えたあと、意外なことを言ったのです。

「別に急がなくていいんじゃない?」

母なら「早く結婚しなさい」と言うと思っていた私は驚きました。

しかし母は真剣な表情で続けました。

「あなたには焦って決めてほしくないの。年齢や世間体じゃなくて、この人と生きていきたいと思える相手を、じっくり選んでほしい」

母が打ち明けた衝撃の過去

どうしてそこまで言うのだろう?
不思議に思っていると、母は少し考えてから、静かに口を開きました。

「お母さん、昔一度結婚してるの」

私は耳を疑いました。
父と結婚する前に結婚歴があったなんて、これまで一度も聞いたことがなかったからです。

母は若い頃に結婚したものの、価値観の違いから長くは続かなかったと話しました。

「周りも結婚してたし、追いつきたくて焦ってたの。もちろん好きだったけど、“結婚しなきゃ”って気持ちのほうが大きかったのかもしれない」

母はそう振り返りました。

「相手を見るより、“結婚すること”を優先してしまった。それが今でも後悔していることなの」

母の言葉には、過去への後悔と、同じ失敗をしてほしくないという親心が滲んでいました。

体験者の声

母の話を聞いたあと、私は改めて彼との関係を見つめ直しました。
そして、「本当にこの人と人生を歩みたいのか」、自分の気持ちを優先して考えることにしたのです。

結果として、私は彼との結婚を急がない選択をしました。

あのとき母が打ち明けてくれたおかげで、私は焦りに流されず、自分の気持ちと向き合うことができました。

結婚は周囲に流されず、自分自身が納得して選ぶものなのだと、母の経験から教えられた出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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