
生まれる前から
子どもが生まれる前から、私は「いざという時の備え」を準備してきました。
私も夫も共働きで、近くに頼れる親族はいない環境です。
産休中に地域の支援サービスを調べて、事前に説明を受けに行き登録と契約もしっかりと済ませておきました。
「これで子どもが熱を出しても何とかなるだろう」——そう思っていたのです。
依頼の電話
ある朝、幼い長男が高熱を出しました。
私はその日は仕事を休みにくい日で、夫にも重要な業務が入っています。
まさに、あの出産前に契約をした「緊急時子育て支援サービス」を使う場面でした。
しかし、その契約していた所に電話を掛けると、「希望の時間帯は人員不足で対応できない」と断られてしまいました。
慌てて他の支援先にも連絡しましたが、どこも「定員がいっぱいで急な利用は難しい」という回答ばかりでした。
結局、仕事先へ何度も謝罪を入れながら、私自身で対応するしかありませんでした。
書類と現実
契約している事と、必要な時に使える事は、全く別の話です。
書類の契約上に生まれた安心と、現実の安心は必ずしも一致しません。
準備万端と思っていたものが、肝心な場面で機能しなかった事実は、想像以上に堪えました。
あの朝の焦りは、今も忘れられません。
筆者の見解
この経験が教えてくれたのは、複数の選択肢・代替案を準備しておく事と日頃からの人間関係の大切さです。
本当に困った時に家族を守るのは、制度の存在ではなく人とのコミュニケーションを重ねて積み上げた備えなのです。
一枚の契約書では埋められない人と人の隙間を、日常の中でどれだけ埋めておけるか——それが、いざという時に問われるのではないでしょうか。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。

