
子どもの進学先
子どもの進学する高校を考えていた頃のことです。
我が家では本人の性格や希望を踏まえ、いわゆる有名校ではないけれど、一番合っていそうだと感じる学校を検討していました。
説明会にも足を運び、「ここなら楽しく通えそうだね」と話していたのです。
そんなある日、ママ友たちとのランチで進学先の話題になりました。
私が学校名を口にすると、ママ友の一人、A子さんが驚いたような顔をして言いました。
「え? 本当にそこでいいの? 行く意味ある?」
馬鹿にされた悔しさ
さらにA子さんは「聞いたことない学校だよね」「お金を払うならもっと有名な学校のほうがよくない?」と畳み掛けてきました。
そして追い打ちをかけるように、自分の子どもの話を始めたのです。
「うちは有名校しか考えてないの。将来を考えたら学校名って大事だし」
「やっぱり周りのレベルが高い環境じゃないと」
私は曖昧に相槌を打ちながら聞いていましたが、心の中では悔しくてたまりませんでした。
進学後に見えてきた現実
その後、息子は希望していた学校へ進学しました。
最初は少し緊張していたものの、すぐに友人にも恵まれ、毎日本当に楽しそうです。
文化祭の話、部活動の話、先生とのやり取り……。
嬉しそうな笑顔を見るたびに、「この学校を選んでよかった」と思います。
一方で、後から聞いた話では、A子さんの子どもは志望校に合格したもののレベルの高い環境になじめず、苦労しているようでした。
大切な判断基準
しばらくして、久しぶりにママ友たちと集まる機会がありました。
「学校どう?」
そう聞かれた私が「毎日楽しそうだよ。うちの子には合ってたみたい」と答えると、A子さんは気まずそうに黙り込みました。
以前のようなトーンはすっかり消えていました。
その時、別のママ友がぽつりと言ったのです。
「結局、学校名より本人との相性なんだろうね」
聞いた瞬間、胸につかえていたものがすっと消えた気がしました。
体験者の声
どんなに評判の良い学校でも、合う子もいれば合わない子もいます。
逆に、世間ではあまり知られていなくても、その子にとって最高の居場所になる学校だってあるはずです。
家庭ごとに価値観は違いますが、「実際に通うのは子ども自身」ということは忘れずにいたいものです。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

