
信頼できそう、という期待
知人のFさんが、認知症になったお母さんのための介護サービスを探していた時の事です。
悩むFさんに、知り合いのNさんが親身になって相談に乗ってくれました。
その際に「ウチはここを利用しているから、良かったら連絡してみて」と、Nさんが実際に使っている訪問看護ステーションを紹介してくれたのです。
調べてみるとクチコミも良く、さらに信頼できるNさんからの紹介という事もあり、Fさんは少し期待しながらその訪問看護ステーションに連絡を取りました。
電話越しの大きな笑い声
数日後、その訪問看護ステーションからFさんの元に「詳細が聞きたい」と電話が掛かってきました。
どんな支援が受けられるのかと真剣に話を聞こうとしたのですが、電話口の若い男性スタッフらしき人の受け答えに違和感を覚えました。
「アハハハ! そうなんすか?」
そんな軽い相づちが会話中に何度も挟まれます。
悪気はないのかもしれませんが、こちらは大切な母親の支援について相談をしているのです。
真剣に受け止めてもらえていない感覚が、どうしても拭えません。
さらに困った事に、電話の背後から複数のスタッフらしき女性の大きな笑い声や雑談が絶え間なく聞こえてきます。
電話での会話が聞き取りづらいほどの賑やかさで、話している男性スタッフに何度も聞き返しました。
通話を終了したい
話しているうちにFさんは、支援の内容よりも「いつ電話を終わらせようか」という事ばかりが頭に浮かびます。
紹介してくれたNさんのご厚意はありがたいのですが、「この訪問看護ステーションに自分の母を安心して任せられるだろうか?」と考えると、ここにお願いする気持ちにはなれませんでした。
評判と、実際に接した時の空気感は必ずしも一致しないのだと思い知らされた瞬間でした。
大切な判断材料
訪問看護ステーション等の介護サービスを選ぶ際、こうした紹介やクチコミだけでなくパンフレット等も大切な情報です。
そして、同じくらい重要なのは、実際に接した時の「空気感」や「誠実な対話ができるか」という事ではないでしょうか。
大切な家族が関わる場所だからこそ、もらった情報だけで判断するのではなく、複数の事業所にコンタクトを取り、比較検討する事が必要です。
Fさんのこの経験は、その大切さを教えてくれました。
【体験者:50代・女性会社員、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。

