中学生の娘が放った、「パパみたいな人とは結婚したくない」というひと言。
親の思う以上に、子供は家の状況をよく観察しているのだと知ったA子さんは、夫と話し合い──。

「パパみたいな人と結婚したくない」
ある日、中学生の娘と進路の話をしていたときのことです。
娘は将来、バリバリ働ける仕事に就きたいらしく、「結婚しても、仕事は絶対に続けたい」と話していました。
「え〜? ママみたいな専業主婦にはなりたくないの?」
冗談っぽく聞いた私に、娘は少しムッとした顔で「違うよ」と言ったあと、こう続けました。
「私、パパみたいな人と結婚したくないの」
「えっ」
予想もしていなかった娘の回答に、びっくりしてしまいました。
専業主婦の葛藤
娘は、ずっと父親の態度に違和感を抱いていたと言います。
夫は、専業主婦である私に対して「ラクでいいよな」「昼間はヒマだろ」などと発言することがありました。
本気で悪意があるわけではないとわかっていても、やはり引っかかっていた言葉たちです。
そもそも専業主婦になったのだって、「男は外で働き、女は家を守る」という夫の強い考えに合わせたからなのに。
とはいえ、家事も育児も楽しいし、家族を何不自由なく養ってくれる夫には、感謝しているのですが……。
娘は、悔しそうにこう言いました。
「ママだけが、ずっと家のことを頑張ってるもん。私が熱を出したときですら、パパはママに任せきりだった。家のどこになにがあるのかもわかってないし」
さらに続けます。
「ママはちゃんと働いてるのに、パパって専業主婦を下に見てるよ。『ありがとう』も言われないのに、そんな家族のために、家事や子育てをする人生はイヤだ」
私がこれまで、「夫婦なんてこんなもの」と諦めていた部分を、「おかしい!」と言う娘の言葉には、気づかされることがありました。
親が思っている以上に、子どもは家の状況をよく見ているんですね。
夫の反省
その日の夜、この一件について、思い切って夫に話しました。
最初は「そんなつもりないって」と困惑していた夫でしたが、愛娘からの痛烈な言葉には、さすがにダメージを受けたようです。
「ごめんね、反省した……」
その後、少しずつではありますが、夫は変わり始めました。
食後に食器を下げたり、「いつもありがとう」と口にしたり、休日に家事を手伝うことも。
夫が考え、行動に移してくれたことは、素直に嬉しかったです。
体験者の声
思えば、私は長い間、気持ちに蓋をしていたのかもしれません。
本当は、夫とは感謝を伝え合える対等な関係でいたかったのです。
それに気づかせてくれた娘に感謝すると同時に、申し訳なくも思いました。
これからは、娘に「結婚っていいものだな」と思えるような家庭を見せていきたい。
そのために、夫とも、もっとお互いの気持ちを伝えあうよう意識していこうと話しています。
【体験者:40代女性・専業主婦、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


