一年中雪駄を履いていた筆者の父がある日突然「靴を買いに行く」と言い出し、何十年も変わらなかった父を動かしたのは、意外な相手のひと言で──。

意外な一言

理由を聞いて、家族は思わず笑ってしまいました。
「おいちゃん、靴も買ってもらえんの? こんな寒いのに雪駄なん?」
父によると、釣り仲間である友人の息子さんからそう声をかけられたそうです。
その言葉を聞いた父は気になったらしく、靴を買いに行くことを決めたのだとか。

家族が何年も言い続けても変わらなかったのに、たったひと言で行動を起こした父。
さらに驚いたのはその後でした。
新しいスニーカーを履いた父は、友人の息子さんの前へ行き「買うたぞ」と得意げに報告したのです。
その様子はどこか誇らしげで、まるで褒めてもらうのを待っている子どものようにも見えました。

見えた一面

私は父のことを、頑固で人の話を聞かないタイプだと思っていました。
けれど、本当は周りの言葉をまったく気にしていないわけではなかったようです。

家族から言われると意地になってしまうけれど、少し離れた立場の人の言葉は素直に受け止められたのかもしれません。
雪駄からスニーカーへ変わっただけの小さな出来事でしたが、父の意外な一面を見ることができました。
今でも父がスニーカーを履いて出かける姿を見るたび、あの日の「買うたぞ」という得意げな顔を思い出して、少しだけ笑ってしまうのです。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年6月】

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※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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