
すべて娘任せ
これは父が体を壊してしまい入院した時のお話です。
入院してしばらく経ってから、私が主導し、兄弟間で介護負担の話し合いを始めました。
しかし、兄も弟も口を揃えて、
「俺ら男は気が利かないと思うし」
「姉ちゃんは昔から面倒見よかったし父さんも喜ぶよ」
と、なぜか私にばかり負担を求めてきたのです。
私はその当時、すでに仕事を調整しながら夫に育児を任せて病院に通い、父のサポートをできる限りしていました。
それなのに兄も弟も、
「俺は仕事が忙しい」
「最近嫁が家事をしろってうるさくて」
と何かと理由をつけ、面会すらほとんど来ないままだったのです。
「身内の世話は、娘のお前がやればいい」という兄弟の考えがあけすけに分かり、同じ子どもの立場なのに「なんだかなあ」と、私は不満に感じていました。
退院後も!?
その後、無事に父の退院が決まり、今後の介護サービス費用を巡って兄の家で話し合うことに。
そこでも
「まずは動ける姉ちゃんが主導で手続きして、費用も一旦立て替えておいてよ」
とさも当然かのように役割を押しつけられそうになりました。話し合いもすぐに終わらせようとする始末。
「お金も労力も、私ひとりに丸投げする気?」
さすがに限界を迎えた私は、これまでどれだけ仕事を調整し、時間と体力を削って父をサポートしてきたか具体的な数字と現状を冷静に、しかし切実に訴えました。
思わぬ援護
すると、それまで状況を詳しく知らなかった兄の奥さんと弟の奥さんがハッとした表情になり、
「そんなに大変なことになっているなんて知らなかった」
「さすがにお義姉さんに何でも任せすぎよ」
と客観的な視点から味方をしてくれたのです。
最終的にケアマネジャーさんという専門の第三者を交えて、使える公的助成や軽減措置をすべて洗い出し、最も費用を抑えられる形で手続きを完了。残った自己負担分も、きょうだいで公平に口座から引き落とされるようルール化できました。
押しつけはダメ
家族だからこそ、誰かに甘えすぎて関係がこじれることもあります。
第三者を入れることの大切さを痛感しましたし、“娘だから”という古い役割意識にいつまでも囚われていてはいけないと痛感した出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本記事内の画像はイメージです。実在の人物・製品・ブランドとは関係ありません。
FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にFTNでヒアリングと執筆を行う。

