
夢見るだけ、理想ばかりの妹
妹の結婚が決まった時、本人はとても張り切っていました。
SNSで理想の式の画像を集め、「ドレスは絶対これ!」「装花はこんな感じで」と目を輝かせていたものです。
けれど、妹が積極的だったのは序盤のドレスの試着まで。
その後、準備のための細かな作業が始まると態度が急変しました。
面倒ごとを押し付けられる日々
引き出物やドリンク、お車代、受付の手配など、細かい決断が重なるたびに妹は「あー、面倒くさい!」「こういう細かいこと苦手だから、お姉ちゃんお願い!」と、私に丸投げするようになったのです。
母までもが「一生に一度のことだし、助けてあげて」と妹の肩を持ち、断りきれず私は妹の代理として打ち合わせに通う羽目に。
本人は希望を言うだけ言って、面倒な実務は人任せ。
自分の結婚式なのに、どこか他人事のようでした。
妹の夫は海外勤務中で、出発前には「帰国してから準備してもいいんじゃない?」と提案していたそうですが、妹は「準備は自分でやるから」と言って無理に式を急いでいたそうです。
義父母の前で露呈した失態
転機になったのは、式の数週間前に行われた両家の最終打ち合わせでした。
遠方から来ていた義父母の前で、スタッフが妹に進行内容を確認したのです。
「お色直し後の演出はこちらでよろしいですか?」
「親族紹介の順番はこちらで?」
ところが、私に任せっぱなしだった妹は何も分からず、「ちょっと分からないです……」「えーと、どうでしたっけ?」と答えるばかり。
不思議そうに「これまで準備はどのように進めていたのですか?」と尋ねた義母に、スタッフが「これまでは主にお姉さまとご相談しながら進めてまいりました」と説明すると、妹の顔はみるみるうちに赤く染まりました。
その場にいた全員が、妹が準備にほとんど関わってこなかったことを知ることになったのです。
体験者の声
さらに追い打ちをかけたのが、打ち合わせのために一時帰国していた妹の夫でした。
「もしかして、全部お義姉さんに任せてたの? 準備も自分でやるって話だったよね」と静かに言ったのです。
責める口調ではありませんでしたが、その言葉に妹は何も返せませんでした。
翌日以降、妹は自分で会場と連絡を取るようになりました。
結婚式は無事に終わりましたが、人任せの代償を身をもって学んだようです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

