
息を切らして会場へ
社会人になって2年目、初めて会社関係の立食パーティーに参加した時のことです。
その日は仕事が長引き、会場へ着いたのは開始時間ぎりぎり。
駅から走ってきたせいで息は切れ、喉はカラカラでした。
慌てて受付を済ませると、スタッフの方がすぐにシャンパンのグラスを渡してくれました。
当時の私は「なんて気が利くんだろう」と、疑いもせずに勢いよく飲み干してしまいました。
上司の声で凍りつく
渇いた喉に染み渡る炭酸。
よく冷やされたシャンパンにうっとりしながら、私は思わず大きく「ふぅ~」と息をつきました。
周囲の状況を全く見ていなかった私は、自分がどんな行動をとっていたのか、まったく気づいていなかったのです。
しかしその直後、慌てた様子の上司が駆け寄ってきました。
「ちょっと待って! それ、乾杯用だから!」
やってしまった……!
その声で我に返り、周囲を見渡すと、参加者はみんなグラスを手にしたまま司会者の方へ視線を向けていました。
つまり私は、乾杯前のシャンパンを一人で先に飲み干してしまっていたのです。
あの瞬間の周囲から注がれた視線と、頭から足先まで凍りつくような恥ずかしさは今でも忘れられません。
顔から火が出るとはこのことだ、と本気で思いました。
恥をかいて学んだ教訓
その後、スタッフに新しいグラスを用意してもらいましたが、しばらく誰とも目を合わせられませんでした。
パーティーが終わるまでずっと肩身の狭い思いで過ごしたのを覚えています。
それ以来、初めて参加する場では周囲の様子をよく観察するようにしています。
分からないことがあれば、遠慮せず聞くようにもなりました。
体験者の声
誰も教えてくれないけれど、大人には「当たり前」のルールがたくさんあります。
当時はそうした場のマナーを知らず、恥ずかしい思いもしました。
でも思い返せば、あの赤面体験は私を少しだけ成長させてくれた出来事だったのかもしれません。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年5月】
※本記事内の画像はイメージです。実在の人物・製品・ブランドとは関係ありません。
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


