
順調のはず
知人のSさんは、毎年夏に開催され、地域で親しまれるイベントの出展者です。
参加者への案内、集合時間の共有、当日の流れの調整……。
多くの人が関わる企画でもある為、Sさんは運営側とコミュニケーションを取りながら丁寧に準備を進めていきます。
毎年恒例で開催されており、やるべき事はいつも同じなので準備は順調でした。
ホームページの異変
ある日、Sさんは何気なくそのイベントの公式ホームページを開いてみました。
そこでSさんは目を疑いました。
自分が案内していた日付と、サイト上に記載された日付が食い違っていたのです。
さらに確認していくと、体験参加の募集フォームや振込フォームまで運営側から連絡されている日程とは異なる日付が表示されています。
「これだと公式HPと運営からの連絡の、どちらが正しいのか分からない」
──関係者の間で混乱が、静かに広がっていきました。
連鎖を止めた声
Sさんはすぐに行動しました。
運営側からの連絡と公式サイトの情報を丁寧に照らし合わせ、確認と修正を求める連絡を運営側に入れました。
その働きかけによって運営側も情報の不一致に気づき、関係者間での整理と修正が着実に進んでいきます。
最終的に日程は統一され、参加者への再周知も行われました。
こうして、恒例の夏のイベントは大きな混乱に至らず、無事に幕を開ける事ができたのです。
思い込みの危うさ
Sさんが、この出来事から改めて認識した事は、「情報は複数の発信源のものを照らし合わせる事」です。
そして「自分は分かっている」という思い込み──これが、最も大きな落とし穴でした。
異変に気づいて、声を上げたSさんの行動は、このイベントの開催にとって最大の貢献だったと言えるでしょう。
テクノロジーはどんどん進化し、情報伝達の正確さを守るシステム等も沢山ありますが、それだけではなく、一人ひとりの「確かめる習慣」はまだまだ必要なのです。
【体験者:40代・経営者、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。

