
すべて妻任せ
子どもが2人とも未就学児だった頃、私は毎日とにかくイライラしていました。
夫は仕事柄、帰宅が遅く、休日も疲れた顔で寝てばかり。
共働きをしているにもかかわらず、育児はほとんど私が担っていたのです。
「私ばっかり大変」と何度も不満に思い、都度怒りをぶつけていたものの、夫はとにかく疲れているのかあまり話を聞いてくれず、その場限りの返事ばかり。
数日間だけ育児に協力したかと思いきや、すぐに疲れたと言い自室にこもってしまうのでした......。
そんなある金曜の深夜、トイレに起きると廊下で夫がうずくまっているのを発見したのです!
夫の異変
顔面蒼白で脂汗をかき、大声で声をかけても反応が鈍いまま。
慌てて救急車を呼び病院を受診した結果、過労と重度の胃炎だと判明しました。
病院で医師から
「かなり無理していたはずです」
と言われ、確かに疲労が溜まっていそうではあったものの、こんなに悪い状態とは思っていなかったので驚いた私。
夫は家では何も仕事の話をしていませんでしたが、実際は職場で人員不足の穴埋めをしていたそう。
「家族に心配をかけたくなかった」
「でもそのせいで君にたくさん育児の負担をかけてしまって、結局こんな騒ぎになって申し訳ない」
そう首を垂れて涙をこぼす夫に、私は言葉を失いました......。
協力するために
もちろん、だからといって家事育児が偏っていいわけではありません。
ただ、それまで私は“手伝わない夫”としてしか見ておらず、夫の話をまともに聞いていなかったことを反省しました。
退院後、私たちは話し合い、夫の職場にも倒れたことを告げて仕事をセーブしてもらうことに。
そして家事を全部書き出し可視化したことで、夫も私の大変さを改めて理解してくれたようでした。
本音を伝え合おう
今では、完璧を求めすぎず、疲れた日は冷凍食品にも頼ることも。
以前より部屋は少し散らかっているものの、家庭内の空気はずっと穏やかになっています。
夫婦は相手の“怠慢”だと思っていたものが、実は“限界”だったと後から気づくことがあります。
倒れるまで我慢する前に、
「今辛い」
と言える関係を作ることの大切さを痛感した出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にFTNでヒアリングと執筆を行う。

