
不意打ちのひと言
「なんだか最近老けたんじゃない?」
久しぶりに会った友人から、開口一番そう言われました。
昔から無邪気な子で、悪気がないのは分かっていますが、だからこそ余計にショックでした。
それ以来、鏡を見るたびに、目尻のシワやほうれい線ばかりが目に入るようになりました。
今まで気にならなかった部分まで急に目立って見えて、スキンケアの時間さえ憂鬱になってしまったのです。
アルバムの中の自分
そんなある日、実家で古いアルバムを開きました。
そこに写っていたのは、20代の頃の私。
肌にはシワもくすみもなく、今よりずっと若々しい顔です。
最初は「この頃に戻りたいなぁ」なんて溜息をついていましたが、写真を見ているうちに、当時の気持ちまで思い出しました。
記憶の中の私は、常に誰かの顔色を窺い、失敗や不安に怯えながら、鏡の前で憂鬱そうな顔をしていました。
自分に自信がなく、「もっと可愛くなりたい」「あの子より好かれたい」と必死で、自分に厳しくしてばかりいた気がします。
今の顔に刻まれたもの
一方で、今の私はどうだろう? と、ふと考えました。
確かにシワは増えました。
でもそれは、友人と肩を叩き合いながら大笑いした時間や、泣きながら乗り越えた出来事、仕事をやり遂げた達成感や、大切な人との思い出と一緒に刻まれてきたものでもあります。
今の顔には、若い頃にはなかった経験や思い出がちゃんと残っているのだと、ふと気づいた瞬間でした。
自分が選ぶ「私らしさ」
後日、その友人にまた「やっぱり老けたよね」と言われました。
しかし、以前とは違い、今度は傷つきませんでした。
「確かにそうかも。でも、たくさん笑って生きてきた証だし、今のほうが昔より楽しく過ごせてる気はするかな」
と返すと、友人は少し驚いた顔をして、それ以上は何も言いませんでした。
変化をどう捉えるかの決定権は私自身にあります。
シワの数よりも、笑って過ごせる時間のほうが大事なのかもしれません。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年5月】
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※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

