子どもの打順にクレームをつけに来たお母さん。でも監督の一言で、その表情がふっと変わりました。9番という打順の見え方が変わった、少年野球での筆者の体験談です。
画像: ftnews.jp
ftnews.jp

「なんで9番なんですか?」

息子の所属する野球少年団は、人数が9人ぎりぎり。新しく入った子でも、試合に出られる環境です。今年入団したばかりのある男の子も、その日さっそく試合に出ることになりました。打順は9番でした。

試合後、その子のお母さんが険しい表情で監督のところへやって来ました。
「うちの子、毎日練習に来てるのに、なんで9番なんですか?」
周りの空気が少し止まった気がしました。

そこまで気にするんだ、と少し驚きました。でも、「うちの子をちゃんと見てほしい」という親の気持ちも、わかる気がしたのです。入団したばかりで、それでも毎日一生懸命通っている。その姿を、認めてほしかったのかもしれません。

9番の意味

最初こそ少したじろいだ様子の監督でしたが、少し間を置いてこう言いました。
「9番って、次の1番につなぐ大事な打順なんですよ」
するとお母さんは「……なるほど」と、少しほっとしたように笑いました。
“最後の打順”だと思っていた9番が、“次につなぐ大事な役割”に変わった瞬間でした。

筆者の見解

同じ9番でも、受け取り方ひとつでこんなにも違うのだと感じました。

そして、そんなやり取りを見ていて、ふと気になったのです。当の本人は、どう感じているのだろうと。

親があれこれ考えている横で、子どもはただ純粋に、試合に出られたことを喜んでいたのかもしれません。そのくらいの温度差が、案外ちょうどいいのだと思いました。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:森奈津子
海外生活や離婚、社会人での大学再入学など、多彩な経歴を持つライター。現在は幼稚園教諭として保護者の悩みに寄り添うほか、日々の人付き合いの中から生まれるリアルな本音に耳を傾け、多様な価値観に触れてきた独自の視点でそれらを記事にしている。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.