筆者の友人・Y乃には小学生の息子がいます。住んでいるマンションには同じ学校に通う子どもが多く、親同士の付き合いもあったそうですが、引っ越してきたママ友のTさんにY乃は違和感を覚えたそうです。

お母さんの決意

Tさんのお母さんは、Tさんのことを話し出しました。

「あの子は旦那さんに愛想を尽かされて離婚したんです。結婚して子どももいるのに、仕事もしないで遊んでばかりいた。いつも孫は私が面倒見てました。孫の学校のことも全部私。昨日のことで私も思うところがあるんです」

話を聞く限り、Tさんは子どものことをほったらかして、自分のことだけに時間やお金を使っていました。
家のこと、お金のこと、子どものことは全部お母さん任せ。

Tさんのお母さんは「さすがに私も腹に据えかねました。私と孫が出て行くか、あの子が出て行くか。はっきりさせようと思います」と言い出したのです。

Tさんの末路

それから数日が経った頃、廊下から「ごめんなさい! ごめんなさい!」と泣きながら謝る声が聞こえました。
声の主はTさん。
Tさんのお母さんはついに決断をしたのでしょう。
そのままTさんのお母さんとお孫さんは引っ越してしまい、Tさんも見かけなくなってしまいました。

「親だから」「家族だから」という甘えは、時に大切な境界線を見失わせてしまうことがあります。お母さんが下した決断は一見厳しいようですが、それは娘が一人の親として、大人として本当に自立することを願った『究極の愛情』だったのかもしれません。
親という自覚を持てなかったことで、Tさん一家に亀裂が入ってしまったと少し寂しく感じた出来事でした。

【体験者:30代女性・主婦、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:RIE.K
国文科を卒業し、教員免許を取得。OLをしていたが、父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄、多くの『ちょっと訳あり』な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。シングルマザーとして子どもを養うために、さまざまな仕事の経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地・職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

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