安定した生活を手放す決断は、誰にとっても怖いものです。特に、守るべき家族がいると、その不安はさらに大きくなります。正解のない選択に向き合う瞬間、何を信じて進むべきなのでしょうか。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。

思い出した夫の姿

それから数日間、悶々と悩む中で、ふと「なぜ私はこの人と結婚したのか」と考えました。

そして、思い出したのです。
夫は昔から、周囲が無理だと言うことにあえて挑む人でした。

私が仕事で大失敗し、落ち込んでいた時も「失敗は次の挑戦の入場券だ」と明るく笑って励まし、家にこもりがちな私を無理やり外へ連れ出してくれました。

夫のその強さに、私は何度も救われてきたのでした。

夫婦で決めた再スタート

考えに考えた末、結局私は、独立したいという夫の背中を押すことに決めました。

家計を徹底的に見直し、足りない分は私も仕事を増やすことに。
夫も、独立前にもらっていた給料に今の収入がなるべく早く追いつくよう、毎日必死でがんばってくれています。

「パパが会社を辞める」ということで子どもたちが不安にならないか心配でしたが、以前よりも時間に融通が利くようになった分、家族で過ごす時間も増えて、嬉しそうです。

新しい景色の予感

もちろん、経済的な苦労や将来の不透明さは、今も消えたわけではありません。
独身時代とは違い、守るべきものが山ほどある現実は重くのしかかります。
夜、ふと将来のことを思って「本当に大丈夫なのかな……」と眠れなくなることもあります。

でも、夫がやりたいことを、隣で支えられることが、今は少しだけ楽しみだと思えるようになりました。

完璧な正解なんて分からないけれど、夫と一緒に迷い、家族で笑いながら進んでいく。
大変なことも多いですが、今の生活もそんなに悪くないなと思っています。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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