幼少期に“ケチ”だと思って反発していた母の節約習慣。
でも大人になり家庭を持った今、暮らしのなかでその意味を実感する瞬間が増えていくことに──。
今回は筆者の知人から聞いた、母の想いがじんわり心に響くエピソードをご紹介します。

同じ立場になり分かったこと

あれから時が流れ、私も家庭を持ち、子育てと仕事に奮闘しています。

物価が上がり続け電気代やガス代も家計を圧迫するなか、ふと母の節約術を思い出すことが増えました。

電源タップのスイッチをこまめに切ること。飲み物を家から持っていくこと。すぐにサイズアウトする服や学用品は、フリマアプリや譲り合いで十分まかなえること。

そうした細かな節約の結果毎月の固定費と雑費がじわじわ下がり、赤字不安が薄れ、心に少し“余白”が生まれるのを感じています。

当時はただ『恥ずかしい』と感じていた節約も、今では暮らしを支える大切な土台だったと気づいた私。

お金に少し余裕があることで急な出費にも慌てずに済み、その安心感は家族の会話や日々の空気にも落ち着きをもたらしました。

また、まとめ買いや作り置きをすることで毎日の小さな迷いが減り、家で一緒に過ごす時間も自然と増加。

日々のジュースや細かな贅沢を我慢した分、旅行や誕生日の外食など、本当に大切な体験には遠慮なくお金を使うことができ、家族の記憶に残る時間を作れました。

そして、節約によって教育費を確保できたことで、進路の選択肢を狭めずに済み、子どもが何も気にせず未来を選ぶ力にもつながっていると思います。

節約術は生きる術

母は家計を守るだけでなく、私たちに“無理せず賢く生きる力”を身につけさせてくれていたのだと今になってようやく理解できました。

節約は、ただの我慢ではなく、“いかに工夫して豊かに暮らすか”の知恵と学んだ私。

母がくれたその知恵は、今の私と家族の暮らしを支える大きな財産になっています。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にFTNでヒアリングと執筆を行う。

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