私が看護補助として、新人の教育係を担当した時の話です。職場にやってきた待望の経験者。しかし、その「自信」が「過信」に変わっていたら……。今回は、チームで働くことの難しさを教えてくれる、ある病院でのエピソードをご紹介します。
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「前の職場では〜」マニュアルを拒む新人

私が看護補助として働いていた時、新人の30代女性の教育係を任されました。彼女は別病院での経験者だったため、基本的な業務自体はすぐに現場で使えるレベルでした。しかし、入職して数日経つと、ある「違和感」が浮き彫りになります。

例えば、備品の補充やシーツ交換の手順など、その病院で決められているマニュアルを教えようとしても、「前の病院のやり方の方が合理的ですよね? だから私はこっちでやります」と勝手に手順を変えてしまいます。注意しても全く悪びれず、常に自分が正しいと信じて疑わない様子でした。

絶句! 看護師に「暇なら自分でやれば?」と暴言

さらに周囲を驚かせたのが、彼女の「仕事の選び方」です。看護補助は、基本的に看護師の指示のもとで動くのがルールです。しかし彼女は、体力が必要な入浴介助を依頼されても、毎回「今日はしたくないので、ご自身でどうぞ」と平然と断るのです。

ついには物品を取ってきてと指示を出した看護師に向かって上から目線でこう言い放ちました。

「それは私のスキルを活かす仕事じゃないんで、私はしたくありません。私は今他の業務で忙しいんで、暇そうにしてるならご自分で行けばどうですか?」

チームで動く医療現場において、こうした「役割の線引き」は時に大きな溝を生んでしまいます。これには、周囲のスタッフも絶句してしまいました。

「媚び」と「歩み寄り」の取り違え

私が教育係として「ここはチーム医療だから、指示には従ってもらわないと困る」と伝えた時、彼女の口から出たのは斜め上の反論でした。

「先輩、そんな媚びるような働き方をしてるから看護師に舐められるんですよ。私は自分のスキルに自信があるので、このやり方でしか働きません」

彼女にとって、周囲との調和を図ることは「自分を曲げること」に見えていたのかもしれません。 「もうこれ以上何を言っても無駄だ」。指導が届かないもどかしさを抱えつつ、私は「彼女には彼女の価値観があるのだ」と、一歩引いて見守ることに決めました。

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