これは、私の友人・A子から聞いた話です。時に言葉よりも雄弁に心を動かすものがある――そんな大切なことに気づかされた出来事でした。

30分後に戻ってきたBさんの顔

30分ほどして戻ってきたBさんの顔は、泣きはらしてはいたものの、どこかすっきりと晴れやかな表情に変わっていました。
翌日も、その次の日も、Bさんはきちんと出社してきました。

後日A子がこっそり「Cさんと何を話したの?」と聞くと、Bさんは照れくさそうに答えました。

「仕事がつらいとか、自分に向いてないかもとか……ただ愚痴を聞いてもらっただけです。でも、あんなにちゃんと聞いてもらったのって初めてで」

Cさん本人に聞くと、「俺も若いころしんどかったから」と一言だけ言って、またパソコンに向かいました。

アドバイスより、そばにいること

A子からその話を聞いて、私はハッとさせられました。

私たちは後輩や大切な人が苦しんでいるとき、「立派なアドバイスをして導かなければ」と自分にプレッシャーをかけてしまいがちです。
でもCさんがしたのは、「ただ一緒に歩き、ただ話を聞く」というシンプルなことでした。
特別なことは、何もしていません。

それでもBさんの心を動かしたのは、その「一緒にいる」という行動。
「何を言うか」よりも「どう寄り添うか」。A子はあの夜、そのことを初めて知ったと言っていました。

【体験者:30代・女性・会社員、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:K.Matsubara
15年間、保育士として200組以上の親子と向き合ってきた経験を持つ専業主婦ライター。日々の連絡帳やお便りを通して培った、情景が浮かぶ文章を得意としている。
子育てや保育の現場で見てきたリアルな声、そして自身や友人知人の経験をもとに、同じように悩んだり感じたりする人々に寄り添う記事を執筆中。ママ友との関係や日々の暮らしに関するテーマも得意。読者に共感と小さなヒントを届けられるよう、心を込めて言葉を紡いでいる。

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