家族だからこそ、相手の気持ちに寄り添いたいと思うのは自然なことです。けれど、その優しさがいつの間にか自分を追い詰めてしまうこともあります。特に親子関係は距離が近い分、境界線が曖昧になりやすいもの。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。

勇気を出した線引き

ドキドキしながらも、私は母にひとつのルールを伝えました。
「夜の電話は30分までにするね。私も自分の生活を大事にしたいから」

母からは「冷たい」「ママを裏切るの?」と激しい怒りをぶつけられましたが、私はそれでも、勇気を振り絞って電話を切りました。

罪悪感に押しつぶされそうになりながらも、距離を置くことが、自分の生活を守るために、必要な一歩だと思ったからです。

距離が生んだ変化

最初はどうなることかと思いましたが、その後、意外な変化が訪れました。

私という唯一の吐き出し口を制限された母は、手持ち無沙汰になったのか、地元のサークルに通って趣味を楽しみ始めたのです。

今では電話の内容も趣味の報告が増え、以前よりも明るい声を聞けるようになりました。

親を助けることと、親の感情の責任を取ることは別物です。
たとえ子どもが自分を犠牲にしても、親が本当の意味で幸せになることはありません。

母の人生を背負うのをやめて、ようやく私は、自分の人生を歩き出せた気がします。

まずは私が幸せになること。
それが巡り巡って、母を本当の意味で自立させることに繋がるのだと、今は心から思っています。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.