新しいことを誰かに教えるのは、思っている以上に根気がいるものです。特に相手が身近な家族だと、つい甘えや苛立ちが出て、きついことを言ってしまいそうになるときもありますよね。今回は、筆者の友人のエピソードをご紹介します。

母の優しさを思い出し……

その一言で、当時の光景が私の中によみがえりました。

幼い頃、鏡文字を書いては「上手に書けない」と泣きべそをかく私に、母は嫌な顔ひとつせず優しく手を添えてくれたものです。

思えば、当時の母も家事や育児でかなり忙しかったはず。
それなのに、正しく書けるまで根気強く、愚痴を言うこともなく、ずっと隣にいてくれました。

母が惜しみなく注いでくれた深い忍耐と愛情。
その尊さに、立場が逆になった今になってようやく気付いたのです。

今度は私が付き合う番

「ごめん! もう一回、一緒にゆっくりやってみよう」

私が謝ると、母はまた嬉しそうに画面を覗き込みました。
30年前に母がしてくれたことを、今度は私が返す番です。
今夜も、二人きりのスマホ教室は続きます。

母がスマホを使いこなせるようになる日まで、母娘の時間を味わいながら、今度は私が隣に座り続けようと思っています。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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