大人になってから、親との距離感に戸惑うことはありませんか? 昔と同じようでいて、どこかぎこちなさを感じる場面もありますよね。今回は、父とのやり取りをきっかけに接し方を考えなおした、筆者のエピソードです。

気づけば夢中になっていて

久しぶりにゆっくり服を選べる時間で、つい夢中になっていました。鏡の前で合わせてみては戻し、また手に取っては試す。そんなことを繰り返していたときです。

ふいに後ろから声がしました。

「ちょっとサイズ、大きいんじゃないか?」

振り返ると、そこには父が立っていました。

思わず「わ、いつからいたの? っていうか、コメントしないでよ!」と笑いながら返しました。

なぜあんなに気恥ずかしかったのか

そのとき感じたのは、なんとも言えない気恥ずかしさでした。

40歳を過ぎて、父から服について意見を言われるなんて思ってもみなかったからです。
そもそも一緒に買い物をする機会も、これまで一度もありませんでした。

だからこそ、どう反応していいのか分からず、思わず照れ隠しのような言い方になったのです。

父は「別にいいじゃないか」と笑いながら、「じゃあ、あっちで座って待ってるよ」とその場を離れました。

あの一言を思い返してみると

少し時間がたってから、あのやり取りを振り返りました。

そういえば私は、母とは一緒に買い物に行くことはあっても、父とはありません。
以前、父が「お母さんは娘と買い物に行けていいね」と話していたことを思い出しました。

あのコメントは、ただ見えたことを言っただけではなく、少しでもその時間に関わろうとした言葉だったのかもしれません。

そう考えると、あのときの返し方はそっけなかったと反省しました。

(いや、でもこれ、オーバーサイズなんだから、大きくていいんだけど……)

そう心の中でつぶやきながら、なんだかおかしくなりました。

気恥ずかしさの奥にあった自分の距離の取り方に気づいてから、あのやり取りを少し違う形で受け止められるようになりました。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

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