筆者の友人Kから聞いたエピソードです。小学4年生の息子さんが毎年、自分のお小遣いでケーキを買ってきてくれるそうなのですが、なぜか去年も今年も冷蔵庫に入っていたのは“ぐちゃぐちゃ”になったケーキ。そんな不器用さが、なんとも愛おしいお話です。

去年の失敗を活かしたはずが……

そして今年の母の日。

帰宅後に冷蔵庫を開けると、そこに入っていたのは、去年よりは形が残っているけどやっぱり“形の崩れたケーキ”。

去年の失敗を活かし、今度は自転車のカゴにそっと入れて、気をつけて運んだものの、
途中で友達に会い、少し遊んでいる間に自転車が倒されてしまったそうです。

2年連続で同じ光景に、私は思わず吹き出してしまいました。

「いつかきれいなままのケーキが来る日があるのかな」

形よりも、ずっと大切なもの

きっと大人になれば、きれいに崩さず持ち帰ることも簡単にできるようになるのでしょう。でも、小学生らしいこの不器用さや、まっすぐな優しさは、今だけの宝物なのかもしれません。

そこに込められた「ママに喜んでほしい」という気持ちは、いつだってまっすぐで、きれいです。

息子は「せっかく美味しそうなケーキなんだもん、今度こそ綺麗なまま買ってくる!」と意気込んでいます。
息子なりに持ち帰り方を試行錯誤している姿に成長を感じるとともに、私は今年も、母の日に冷蔵庫を開ける瞬間が楽しみでしかたありません。
今年はどんなケーキが入っているのかな。
そんなことを少し期待してしまうのです。

【体験者:40代会社員・女性、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:森奈津子
海外生活や離婚、社会人での大学再入学など、多彩な経歴を持つライター。現在は幼稚園教諭として保護者の悩みに寄り添うほか、日々の人付き合いの中から生まれるリアルな本音に耳を傾け、多様な価値観に触れてきた独自の視点でそれらを記事にしている。

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