筆者の話です。
長年ヘビースモーカーだった父が、あるときを境にタバコをやめました。
その理由を母から聞いたとき、見えていた景色が変わって──。

母のひと言

ある日、母と話しているとその話題になりました。
「やっぱり病気ってこわいよね」
「あんなにたばこが好きだったのにね」

そう口にすると、母は少し首をかしげて言いました。
「あんたが喘息になったからだよ」
たばこの煙に咳き込む私を見て、父はきっぱりとタバコを止めたのだと話してくれました。

その言葉を聞いた瞬間、何も返せませんでした。
それまで見えていた父の姿が、一瞬で違うものに変わったのです。

見え方の変化

父は自分の体ではなく、私の体調を優先していたのだと気づきます。
何気ない行動のひとつひとつが、私への気遣いだったのだと思うと、胸の奥がじんとしました。

それから20年経った今も、父はタバコを吸っていません。
当たり前のように続いているその選択に、決意の重さを感じます。
これからは、父が喜ぶものを選びながら、少しずつ返していきたい。
そう思いながら、父の横顔を見ていました。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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